性格の改善方法

「言いたいことが言えない」をなくす心構えとトレーニング

「嫌なことを断れない」

「本心を言えずに後悔することがある」

みなさんは、このようなことはないでしょうか?

私自身、「これを言ったら相手を傷つけてしまうんじゃないか」などと考えすぎて、自分の本心を相手にうまく伝えられなかった過去があります。

そんな自分を改善するために私が実践してきたことを、今回はお伝えしたいと思います。

この方法は精神療法のひとつであ『認知行動療法』と、コミュニケーションスキルのひとつである『アサーション』をアレンジしたものです。

自分の本心を伝えられずに苦しんでいた私には非常に効果があった方法です。よろしければ参考にしてみてください。

自分の本心を伝える大切さ

「食事に誘われたけどあまり気分が乗らない」

「仕事をたくさん抱えているのに、また新しい仕事を頼まれてしまった」

こんなときには、自分の気持ちや意志を相手にきちんと伝える必要が出てきます。

もしそれがうまくできない場合は、嫌々引き受けてしまったり、それを無理にこなそうとして辛い思いをしてしまうことがあるからです。

もしかしたら、自分の気持ちを率直に言うことで相手をがっかりさせたり、傷つけてしまうことがあるかもしれません。

しかしそれを避けて通ろうとすると、自分の気持ちや考えを曲げてまで相手に合わせることになってしまい、お互いに望まない結果を生んでしまう恐れがあります。

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言いたいことが言えないことのデメリット・問題点

自分の本心を相手に伝えられないことのデメリットには、以下のようなものがあります。

  • 遊んだり食事をしていても心から喜べない
  • 嫌なことを引き受けて後悔してしまう
  • 相手に自分の気持ちを勘違いされてしまう
  • 人といるとストレスが溜まる、気疲れする
  • 相手に対して腹が立つ
  • 人間関係そのものが嫌になり、引きこもりがちになる

このような状態に陥らないためにも、「なぜ相手に合わせてしまうのか」「どのようにすれば回避できるのか」ということを知っておくことが大切です。

言いたいことが言えなくなる原因

言いたいことが言えない原因には、『幼少期にどのように育てられたか』が影響しています。

たとえば、

「いつも不機嫌な親に育てられた」

「いい子でいるときだけ愛してもらえた」

などの場合が考えられます。

 

小さな子供は親がいないと生きていけません。住む場所、食べるもの、着る服を提供してくれているのは親だからです。そんな親が不機嫌でいることは、子供にとって大問題です。

「嫌われたらどうしよう」「見捨てられたら大変だ」

そう思うのは当然のことですね。

だから、いつも「いい子」でいる。親に嫌われないように、見捨てられないように、“従順ないい子”でいようとするのです。

 

そしていつしか、相手が親ではない“他人”であっても、同じような接し方をしてしまうようになります。

人から嫌われないように、自分よりも相手を優先して考えたり、

人に見捨てられないように、自分の本心を伝えないようにする…

こうして、“相手のため”ではなく“自分のため”に他人に尽くすようになっていくのです。

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過去の思い込みを和らげよう

人は、過去の境遇から様々な思い込みが作られていきます。

「本音を言うと嫌われる」「自分の本音よりも相手の気持ちを優先すべきだ」

こんな風に思っている方は、そう思い込む原因(境遇)があったということです。

そして、その思い込みに従った行動をとればとるほど、余計にその思い込みは強くなっていきます。

自分にとって不都合な思い込みを瞬時になくすことはできませんが、意識することで和らげていくことは可能です。

自分の思い込みに気が付く

思い込みを和らげるためには、自分を苦しめている思い込みにはどんなものがあるのかをまず知る必要があります。

できれば紙とペンを用意して、自分の中にある偏った思い込みを洗い出すための準備をしてください。実際に書いていくほうが高い効果が期待できます。

 

準備が出来たら、苦しみの原因となっている思考を見つける作業に移ります。

たとえば「言いたいことが言えない」という状況にあるとき、どのような考えが頭に浮かぶでしょうか?

困ったときの状況を実際に思い浮かべてみて、そのときの自分の思考、捉え方、考え方にどんなものがあるか、紙に書き出してみてください。

例)「これを言ったら相手を傷つける」「失望されたら終わりだ」「怒らせないようにするべきだ」

 

紙に書いたら、その思考が以下のようなものに当てはまらないか、チェックしてみてください。

根拠のない決めつけ:100%そうとは言い切れないことに対して「こうだ」と決めつけてしまう

白黒思考:ものごとを白か黒か、良いか悪いかなどと極端にとらえてしまう

レッテル貼り:「自分は○○だ」「あの人は○○だ」などと考えてしまう

べき思考:「○○すべきだ」「○○しなければならない」などといった考え

過小評価:「自分なんてどうせいつもこうさ」などといった考え

もしこれらに当てはまるのなら、その思考があなたを苦しめる原因になっている可能性があります。

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思い込みを和らげる

たとえ何かに偏った思考が自分の中にあることがわかっても、そんな自分を責めたり、落ち込んだりする必要はありません。

「これが今の自分の特徴なんだ」「自分にはこんな傾向があるんだ」

こんな風に冷静にとらえることで、無理なく思い込みを和らげていくことができます。

もし、先ほど挙げた思考や捉え方が、根拠のない決めつけや白黒思考などによってもたらされたものであるならば、以下のような考え方で偏りを調節しましょう。

例)

「これを言ったら相手を傷つける」

↓ ↓ ↓

「100%そうとは言い切れない」

「言ってみないとわからない」

「もし自分の本心を伝えることで相手を傷つけてしまったなら、それは仕方のないことだ」

例)

「失望されたら終わりだ」

↓ ↓ ↓

「失望されるかはわからない」

「失望されても、それだけで相手との関係が終わるわけではない」

「いつも相手の希望に応えるのは現実的に不可能だ」

例)

「怒らせないようにするべきだ」

↓ ↓ ↓

「怒るかどうかはわからない」

「私には自分の本心を伝える権利がある。本心を伝えた結果相手が怒ったとしても、それは仕方のないことだ」

 

このような捉え方ができると、自分の気持ちや意志を伝えることのハードルを下げることができます。

うまくできなかったときの対処法

上記のやり方を実際に試していくことで、自分の思い込みに気付いたり、それをどのように修正していくべきかが少しずつ見えてきます。

ただ、それをうまく実践できることもあれば、うまくできないこともあります。

長年付き添ってきた自分の思考を変えることは、簡単なことではないからです。

うまくできないときがあっても、「今はまだ難しいよね」「少しずつ変えていけばいいんだよ」などと自分に励ましや共感の声をかけ、少しずつ取り組んでいく姿勢が大切です。

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言いたいことを言うための心構えとトレーニング

自分の思いや考えを率直に伝えられるようになるために、以下のことも参考にしてみてください。

①自己表現の大切さを知る

言いたいことを言えるようになるためには“自己表現の大切さ”を知ることが大切です。

自己表現とは、『自分の気持ちや意思を相手に伝える』ことです。

自己表現を避けていると、自分の本当の性格や考えを知ってもらうことができません。その結果、相性の悪い人が近づいてくる可能性も高まります。

自分の言いたいことを我慢して他人と付き合おうとすれば、たくさんの人と関係を作ることができるかもしれませんが、反対に心から信頼できる友人を作るチャンスを逃してしまうことにもなります。

自分の望まない結果を避け、望んだ通りの結果を手繰り寄せるためにも、自己表現することは非常に大切なのです。

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②反対意見を受け入れる気持ちを持つ(意見の不一致を恐れない)

言いたいことが言えない人は、ある意味非常に“平和主義な人”です。

もしかしたら、過去の体験が災いし、他人と意見がぶつかることを極端に恐れるようになってしまっているのかもしれません。

しかし、他人が自分のやり方に反対して異議を唱えたり、違う意見を持つことは必ずしも『攻撃』を意味するものではありません。

とくに繊細な気質を持つ人にとっては、本音でズバズバ言い返してくる人を見ると少し攻撃的なように感じるものですが、実はそういった人も誰かと争うことなど考えていないものです。

多くの場合は、「自分の思いを正しく伝えたい」「自分の意見を認めてほしい」という考えに基づいた発言であるはずです。

ですから、反対意見を過度に恐れる必要はありません。

「自分が自由な発言をするために、相手の自由な意見も受け入れよう」

こう考えることで、意見の不一致を受け入れられるようになっていきます。

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③簡単な提案から始めてみる

自分の思いを率直に相手に伝えるために、まずは簡単な提案から初めて見ましょう。

どんなことでも良いので、自分の本心を相手に伝えるトレーニングを積んでいくのです。

例)

「寒いので、暖房をつけてもらえますか?」

「少しだけ音量を下げてもらえますか?」

「もう少し横に詰めてもらってもいいですか?」

 

簡単な提案に慣れてきたら、少しハードルを上げてみるのも良いでしょう。

例)

「その日は難しいので、別の日にしてもらえますか?」

「今忙しいので、後からにしてもらえますか?」

 

こちらが提案したことに対して相手が反対するようなことがあれば、そこでネガティブな感情を持つのではなく、理論的に話し合ってみる必要があります。

意見のぶつかり合いや、その落とし所を見つけることも、会話のスキルを培うトレーニングになっていくからです。

このように自分の思いを相手に伝えるということは、『自分を大切にする』ということにもつながりますので、自己肯定感を育むことができます。

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最後に:

人間関係をストレスの原因にせず、他人との交流を楽しめるようになるには、少しづつ自己表現の幅を増やしていくことがポイントになります。

まずは自己表現をブロックしている思い込みを和らげる考え方を採用すること。

そして、小さく簡単な行動から初めてみることで、少しずつ言いたいことが言えるようになっていくはずです。

ぜひ試してみてください。

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てるてる(荒木明)
てるてる(荒木明)
HSP・内向型専門カウンセラー。北海道 札幌市在住。 若い頃から繊細で傷つきやすい性格に悩まされる➔弱い自分を否定し続け対人恐怖症・うつ病を経験。自分の気質を受け入れ、心の機能について一から学ぶことで今ではとても生きやすくなりました。 メール相談を通して、一人ひとりのお悩みに対するアドバイスを行っています。 >>詳しいプロフィール

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