内向的な性格

内向型・外向型の特徴と違い│それぞれの強みを活かすには?

最近になって広く知られるようになった「内向型」「外向型」という言葉。

『内向型=シャイでおとなしい性格』

『外向型=明るくて社交的な性格』

といったイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。

私も以前はそのような感覚を持っていました。

そのせいで、自分が内向的な性格であることに引け目を感じたり、どうやったらもっと社交的に見えるかなどと考えることが多かったように思います。

しかし、両者の性質を深く知っていくうちに、自分が抱いていたイメージは完全な思い込みであることがわかりました。

内向型だからといって内気な性格というわけではなく、また外向型だからといって必ずしも社交的というわけでもない。

その事実を知ることで、今まで感じていた劣等感は消え、無理に自分を変えようとも思わなくなりました。

内向型と外向型はそれぞれに特徴があり、完全に対等な性質です。どちらかが優れていて、どちらかが劣っているということはありません。

大切なのは、両者の特徴を理解していくうえで、『自分がどのような人間なのかをよく知ること』です。

自分の傾向を知り、それを受け入れることで、

自分を責めたり無理に変えようとする必要がなくなります。

本来の自分を偽ることなく表現できるようになることで、とても生きやすくなります。

この記事では、「内向型」「外向型」の特徴や違いなどを詳しくまとめてみましたので、自分の気質や特徴を知るうえでの参考にしていただければと思います。



「内向型」「外向型」は生まれ持った気質であり、変えることはできない

先に知っておいていただきたいことは、『内向型や外向型は生まれ持った気質である』ということです。

わかりやすいく言うと、「内向型の人」と「外向型の人」は、生まれつきで決まっているということになります。

米国の発達心理学者ジェローム・ケーガンの研究では、『脳の遺伝的気質の違いによって内向型と外向型タイプに分けられる』と結論付けられました。

また、同国の脳科学者キャンディス・パートは『気質は遺伝的要因に基づくため、通常は生涯その人についてまわる』と述べています。

つまり、「内向型」「外向型」は遺伝によって左右され、どちらの気質も途中で大きく変えることは難しいということです。

もちろん、考え方や行動を変えることで後天的な性格を変えることはできますが、遺伝によって形成された根本的な気質はずっと残り続けるということになります。

自分の気質を変えるのではなく『活かす』ことが大切

「内向型」「外向型」にはどちらにも強みと弱みがあります。大切なのは、それらをどう捉え、どう活かしていくかです。

例えるなら、長距離が得意な「マラソンタイプ」と、短距離が得意な「スプリンタータイプ」のようなものです。

「マラソンタイプ」は小さな力を長く出し続けることができ、持続力があります。その反面、瞬発的な動きが苦手です。

「スプリンタータイプ」は瞬発的に大きな力を発揮することができる反面、持久力を必要とする走りが苦手です。

これは生まれながらにして備わっている筋肉のつき方や心肺能力などの差であり、トレーニングによってどちらかに近づけることはできても、根本的に大きく変えることはできません。

 

「内向型」と「外向型」でも同じことが言えます。

両者は生まれ持った気質であり、考え方や行動を変えることでどちらかに近づけることはできても、根本から大きく変えることはできません。

「マラソンタイプ」と「スプリンタータイプ」にそれぞれの走り方、ペースがあるのと同じように、「内向型」と「外向型」にもそれぞれの活かし方やペースがあります。

自分の性格を無理に変えようとするよりも、上手な活かし方を見つけたほうがよほど負担が少なくて済み、より効果的に自分の能力を発揮することができるのです。

「内向型」の特徴

まず先に、内向型の特徴をご紹介します。

内向型の特徴①物事を深く考える

一般的に「シャイ」「内気」といったイメージを持たれやすい内向型ですが、これらが必ずしも当てはまるわけではありません。

ただ「物事を深く考える」という性質から、勢いのままに発言したり行動したりする機会は少ない傾向にあります。どこか元気がないように見えるのもこのためかもしれません。

しかしこの思慮深さは、内向型の人にとっての大きな武器にもなり得ます。

例えば、先にあるリスクを予測することで失敗を回避したり、人の気持ちを察知して気配りできる力に役立てることができます。

ただ、良くない結果を想像して過度な不安を持たないように注意することも大切です。

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内向型の特徴②集団といるよりも一人の時間を好む

内向型の人は、外の世界よりも、自分の体験や考え・着想などに興味関心があり、そうしたことに触れる時間を持つことで活力を得ています。

集団行動が苦手だったり、何となく「一人になりたい」と感じるのは、決して殻にこもっているわけでも根暗なわけでもありません。

内向型の人が健康な状態でいるためには、自分と静かに向き合える一人の時間が必要不可欠なのです。

そのため、無理に集団の中に溶け込もうとしたり、苦痛を感じながらも誰かと一緒にいるといったことは内向型にとって大きな負担となります。

元気を回復させたいときには、意識的に一人の時間を設けることが大切です。

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内向型の特徴③表面的な会話よりも本質的な会話が好き

内向型の人は、世間話などの表面的な会話が苦手な傾向があります。

どこか無駄のように感じてしまったり、興味のない話をされることでどう対処していいのかわからなくなってしまうのです。

反対に、自分にとって中身のある話なら会話にも積極的に参加しやすくなります。

例えば自分が詳しい分野の話であれば、自ら周囲に話題を振ったり、豊富な知識から次々とアイデアを出すこともできます。

内向型の人が会話を楽しむためには、内向きになりやすい意識をできるだけ外に向けることが大切です。

例えば、相手の趣味やプライベートなどに興味を持ち、自分との共通点を探ることでお互いにとって中身のある会話を楽しめるようになります。

場合によっては無理に話そうとするのではなく、聞き役に徹するというのも一つの手ではないでしょうか。

https://dekiru-note.com/2018/11/22/%E8%A8%80%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E8%A8%80%E3%81%88%E3%81%AA%E3%81%84%E6%80%A7%E6%A0%BC%E3%81%AE%E7%9B%B4%E3%81%97%E6%96%B9%E3%80%82%E8%87%AA%E5%B7%B1%E8%A1%A8%E7%8F%BE/

内向型のその他の特徴

  • 集中力が高い
  • 忍耐力がある
  • 深く考えた上で発言する
  • 狭く深い人間関係を好む
  • 一つのことを深く極める
  • コツコツ取り組むことが好き
  • クリエイティブな発想ができる
  • 長く一人でいることが苦にならない
  • 注目されていない方が本領を発揮しやすい

外向型の特徴

続いて、外向型の特徴を見ていきましょう。

外向型の特徴①人や外界との接触を好む

エネルギー源が自分の内側にある内向型に対し、外向型は自分の外側からエネルギーを得ています。つまり、人や物、場所から活力を生み出しているのです。

そのため、大勢の人が集まるようなイベントや活動によって元気を得ることもできます。

反対に、外との接触が少なかったり、一人で長時間過ごしていると刺激不足になり元気がなくなってしまいます。

外向型の特徴②コミュニケーションが上手

外界の刺激から活力を得る外向型は、人と接する機会も自然と多くなります。

人とのコミュニケーションにも慣れていて、即興で話したり、身振り手振りを使った会話も得意なことが多いです。

これが外向型が社交的に見える要因の一つだといえるでしょう。

外向型の特徴③じっとしているのが苦手

外向型の人は、常に刺激を求めていて、一つでも多くのことを経験したがる傾向にあります。

そのため、長時間同じ場所に留まって大人しくしていることが苦手です。

「じっとしているよりも次から次と行動したい」「早く活気のある場所にいきたい」

そんな風に刺激を求め行動するのが外向型の特徴です。

外向型のその他の特徴

  • 話し好き
  • 瞬発力がある
  • 行動力がある
  • 広範囲に活動する
  • 賑やかなところが好き
  • 常に忙しく動いていたい
  • 注目されても本領を発揮できる
  • 一人でいるよりも誰かといたい




内向型と外向型の違い

ご覧のように、「内向型」と「外向型」では性質に大きな違いがあります。

これらの違いをもたらしている要因は、大きく分けて3つ挙げられます。

  1. エネルギーの取り込み方
  2. 刺激の感じ方
  3. 深さを好むか、広さを好むか

①エネルギーの取り込み方

内向型は、自分の内側にエネルギーの源泉があります。

外界とたくさん接触するよりも、一人静かな場所で過ごしているほうが元気を回復させられるのです。

これに対して外向型は、外の世界からエネルギーを得ます。一人で静かにしているよりかは、外に出て誰かと話したり、様々な活動をしていたほうが元気を回復させることができます。

②刺激の感じ方

内向型は、外からの刺激に敏感に反応します。そのため、人混みなどの騒がしい場所に長時間身を置くとグッタリと疲れてしまうこともあります。

適度に休憩をはさむなど、エネルギー不足に陥らないための対策を考えておく必要があるでしょう。

それに対し外向型はたくさんの経験や刺激を必要とします。

外界での様々な活動を通して刺激を得ることが、外向型のエネルギー源となるのです。

③深さを好むか、広さを好むか

内向型の人は、人との関わりや活動の範囲に対して、『深さ』『濃さ』を追及します。

交友関係の幅は狭い傾向にありますが、その分親密な付き合い方をします。

活動においても、広範囲にあちこち顔を出すようなことは少なく、特定の場所や一定の範囲内での活動を好む傾向があります。

外向型は、これとは反対に『広さ』『量』を追及します。

広い交友関係、多くの刺激的な活動を求め、様々な場所に足を運びます。

すべては捉え方次第で変わる。型にはめすぎないことが大切。

「内向型」「外向型」の各特徴は、捉え方によっては“強み”となり、反対に“弱み”と捉えることもできます。

それぞれの特徴にどういった意味付けをするのかは、自分次第です。

例えば、内向型が持つ『狭く深い人間関係を好む』という特徴を“強み”として捉えるなら『親密な人付き合いができる』となりますが、反対に“弱み”として捉えた場合は『人脈が少ない』となります。

また、内向型にも外向型にも色々なタイプがあり、『内向型寄りの外向型』、『外向型寄りの内向型』なども存在し、その比率も様々です。

ですから、「自分は内向型だからこう」「外向型だからこう」などと型にはめてしまう必要はありません。

「自分にはこんな傾向があるんだ」ということを知り、そのうえでより生きやすくなる考え方や付き合い方を模索していくことが大切だと思います。

 

この記事が、少しでもご自身の気質と向き合うきっかけになれば嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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てるてる(荒木明)
てるてる(荒木明)
HSP・内向型専門カウンセラー。北海道 札幌市在住。 若い頃から繊細で傷つきやすい性格に悩まされる➔弱い自分を否定し続け対人恐怖症・うつ病を経験。自分の気質を受け入れ、心の機能について一から学ぶことで今ではとても生きやすくなりました。 メール相談を通して、一人ひとりのお悩みに対するアドバイスを行っています。 >>詳しいプロフィール

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