「職場に自分の居場所がない」
「理解してくれる人がいない」
「孤立している」…
このようなことでお悩みの方は多いようです。
自分の居場所がないことで強い孤独感を感じるような場合は、会社にいることがつまらなく感じたり、ときには「もう辞めてしまいたい」と思うこともあるかもしれません。
一方で、“あえて”孤独を選んでいるような人もいます。
- 「気が合う人がいない(価値観が合わない)」
- 「仲良くする必要性を感じない」
- 「一人の方が気楽」
こういった考えで、周囲の人と意図的に距離を置いて働いているのです。
どちらが“正解”でどちらが“間違い”ということはありませんが、両者にメリット・デメリットがあることは事実だといえるでしょう。
そして、それぞれの良い面・悪い面をよく理解することによって、職場で後ろめたさや罪悪感を感じず、心地よく過ごせることにもつながります。
ここでは、職場で孤立することのメリットデメリット、また孤立を解消する際に役立つ考え方をお伝えします。
この記事の目次
職場に居場所がなくなってしまう主な原因
会社や周囲の人に迷惑をかけるわけでもなく、また人に嫌われるようなことをしてもいないのに、職場で孤立して居場所がなくなってしまう人がいます。
とくに日本人は一人きりになることを恐れる人が多く、集団内での自分の立ち位置を強く意識して生きるという価値観があります。そのため、気の合う仲間がおらず孤立した状態では精神的につらい状態に陥ってしまう人が多いのです。
いったい、職場で居場所がなくなってしまうことにはどんな原因があるのでしょうか?
グループの輪に入れない
新卒でどこかの部署に配属されたり転職して途中入社してしまうと、そこですでに”派閥”が構築されていて、なかなか輪の中に入れないケースがあります。
会社でもその他のコミュニティーでもそうですが、派閥には平均的なモラルや常識といったものが欠如していることが多く、派閥内のメンバー以外にはどこか排他的になり簡単に他人を寄せ付けなくなります。
こういった構造が会社内にある場合、かなり積極的な人でないと輪の中に入れないことが普通です。
仲間意識がない
大人数で働く企業になると、人間関係が“広く浅く”といった状態になりやすいものです。
こういった職場では同部署内のつながりすら希薄になりやすく、仕事上のコミュニケーションはあっても、心の通った付き合いまでに発展することは少ない傾向があります。
部署内での仲間意識というものは、実は”少人数”の方が作りやすく、一体感が生まれにくい大人数の職場では仲間としての連帯感や団結力に欠けることが多いのです。
「職場に自分の居場所がない」と感じるのは、このように職場の仲間意識が単に希薄になりすぎているからなのかもしれません。
性格・コンプレックスなどの問題
職場で居場所がないと感じる場合、自分自身に原因があることもあります。
他人に強い警戒心を持ってしまう癖があったり、何らかのコンプレックスを持っている場合なども打ち解けにくくなります。
- 周囲の人が凄く見えて萎縮してしまう
- 素の自分を表現できない
- 人見知り・コミュ障で対人関係が苦手
こうした原因で孤立してしまった場合は、どこかのタイミングで自分の問題を解決する必要があるでしょう。
▼人見知り・対人不安を克服する方法をオンラインで学ぶことができます。
周りに馴染む気がない
人間関係の構築は、その人の価値観や考え方が大きく影響します。
「居場所がない」「誰も味方がいない」という人でも、そもそも最初から周りに馴染む気がない場合もあるのです。
幼少期の育ち方などで、集団行動が苦手、あるいは本質的に寂しさ自体を感じないという場合もあります。
職場で孤立することにはリスクもある
職場において「居場所を必ず作らないといけない」ということはありません。
集団でつるんで行動するのが好きな人もいれば、一人でいることが好きな人もいるでしょう。また、価値観の合わない人間同士が無理に行動を共にすると少なからずストレスを受けてしまうものです。
ただし、職場で一人でいることには一定のリスクもあります。
「自分はあえて孤独を選んでいる」という方は、こうしたリスクもよく理解しておく必要があるでしょう。
悩みや不満を一人で抱え込みやすい
会社に勤めていると、業務上のことだけでも様々な悩みや不満を抱える人は多いはずです。
そういった悩みや不満を職場の仲間たちと一緒に分かち合うことは、「みんな同じような思いで働いているんだから自分も頑張ろう」といった励みにもなりますし、ストレスを解消することにも繋がります。
しかし、職場で自分の居場所がなく雑談を交わす仲間がいないと、どんどん自分の世界に入り込んでしまい、ストレスを一人きりで抱えてしまうことになります。
孤独感に打ち勝てる人なら良いのかもしれませんが、そうでない人ならば精神的に病んでしまうこともあるでしょう。
いじめ・嫌がらせなどの標的にされやすい
最近では学校だけでなく、会社でのいじめ・嫌がらせも存在します。
- 他人のミスを自分のせいにされた
- ありもしない悪い噂を流された
- 自分にだけに言葉や態度がキツイ
- 所有物を隠された、いたずらされた
こうした職場でのいじめや嫌がらせもまた、「一人でいる人」が標的にされることが多いのです。
一人でいる人は数的にも不利な立場になるので、いじめる側からすると格好の獲物となってしまうことが多いようです。
不利な状況に陥りやすい
よく会社で大切だといわれることに「ほう・れん・そう」があります。
これは「報告」「連絡」「相談」の略ですが、これは”情報交換”がいかに会社の業務に大切であるかを表した言葉であるとも言えます。
どのような職場でも、緻密な情報交換ができていなければ業務に支障が出やすくなりますから、孤立している人は不利な状況に陥りやすくなります。
また業務連絡だけができていても、現実社会でスムーズな仕事をしていくのに必要な情報のすべてを得ることはできません。
たとえば、上司や先輩・取引先相手などの性格や好かれ方などの情報は、身近なメンバーから入手できることが多くあります。
いわゆる「忖度(そんたく)」のレベルの話ですが、これが現実社会を生き抜くためには意外に重要なことでもあります。
職場で孤立をしてしまうと、こういった情報も不足してしまうために何かと不利な状況に陥りやすかったりするのです。
あえて「孤立」のメリットを生かす道もある
ここまでは、職場で自分の居場所がなかったり、孤立することのマイナス面を解説してきました。しかし、深い人間関係を作らないと生きていけないということもありません。
むしろ“孤独を活かす道”を意図的に選ぶことで、今まで感じていた孤独感への後ろめたさも解消され、自分の強みや自信をさらに高めることにもつながるでしょう。
以下が、職場で孤立することのメリットの一例です。
自分の能力を発揮しやすい
日本の会社組織というのは、古くから「チームプレイ」が重要視されてきました。
しかし、これも外資系や欧米企業の会社運営を取り入れる企業が日本にも増えたことで、「個人の力量」が求められる時代に変わりつつあります。
「成果報酬制」を導入する企業も徐々に増えており、自分のスキルだけで生き抜いていくことが容易になってきているのです。
こうした状況下で「孤立した人」というのは、自分の能力を発揮しやすく、仕事がしやすい環境にいると言えるでしょう。
また管理職側も「部署評価」から「個人評価」に変わりつつあるので、出世の道も開けやすくなるメリットもあります。
欧米の企業を見てみると、会社に大きな成果をもたらすことができる優秀な人ほど孤立しやすい傾向にあります。
能力のある個人は、部署のしがらみを飛び越えて管理職や取締役と業務のつながりを持ちやすくなり、また職場での人付き合いよりも仕事そのものに集中できるため、効率良く仕事を終えることにもつながるのです。
人脈やコネクションを自由に作れる
仲の良いグループに属し、いつも同じメンバーとつるんでいると、自分自身でしがらみを作りすぎてしまい自由が奪われてしまうことがあります。
たとえ素晴らしいチャンスに恵まれたとしても、仲間の目を気にすることで、新しいことにチャレンジしたり違うグループの人たちとの交流ができずに行動範囲をせばめてしまうことにもなりかねません。
どこの派閥にも属さずに独立した存在になれば、そうしたしがらみに惑わされずに人脈やコネクションを自由に作ることが可能になります。
余計な時間・お金を使う必要がない
昭和のサラリーマンたちはとにかく忙しい印象がありました。それは日本経済が上向きで残業が多かったことも一つの要因ですが、それ以外にも「付き合い」が異様とも言えるレベルで多かったのです。
就業後には上司や同僚たちと飲みに行く、あるいは接待をする、日曜日にはゴルフや麻雀などで職場の人と過ごす・・・
これが企業戦士のあるべき姿であるとも考えられてきました。
そしてこういった慣習は今も一部の社会人の間で引き継がれています。
しかし、現在の経済社会でこういった慣習が仕事の成績につながることは少なくなってきています。中には仲間とつながり時間を消費することを「余計な時間」「余計な出費」と捉えられるようなこともあるほどです。
孤立することを選んでいる人は、こうした時間とお金を使う必要がありません。
その分、スキルアップや心身を休めるための時間などに好きなように充てることができるのです。
新しいスキルの獲得は出世につながる行為ですし、自分の好きな趣味に時間を費やすことも、仕事とプライベートをうまく使い分けることでストレス障害を予防することにつながります。
孤立が嫌なら小人数の仲間を作ろう
もし望んでもいないのに「会社に居場所がない」「孤立している」と感じているようでしたら、会社でうまく立ち回るために「少人数の仲間」を作ってみてはいかがでしょうか?
大人数のグループに入るためにはそれなりにコミュニケーション能力も必要になりますが、それが少人数ならばハードルはかなり低くなります。
以下にご紹介する、「人との距離を縮める3つのテクニック」を参考にしてみてください。
プライベートを詳しく話す
人と人とが親交を深めるためには、いかに「プライベートの時間を共有できるか」がカギとなってきます。
どれだけ仕事のことでたくさん会話をしていても、お互いのプライベートを知らなければただの「仕事上の関係」にとどまってしまいます。
最近では働き方が変わってきていることや、各ハラスメントに神経質になるあまりに、プライベートの話を避ける人が増えています。
もし「これから仲を深めたい」と思える人が現れたら、積極的に自分の趣味や家族のことなどを話してみると良いでしょう。
コミュニケーションは相互作用ですから、こちらから心を開いてプライベートの会話を始めると、相手も自分のことを深く話したくなるものです。
詳しいプライベートの会話ができれば、相手との壁もなくなり”仲間”と呼びあえる関係を構築できるはずです。
会話から共通点を探る
人は誰しも、自分の価値観や考え方、境遇が似た人に親近感を抱くものです。
少人数の仲間を作る場合にはこの性質を利用し、会話から共通点をできるだけ多く見つけるようにしましょう。
仕事に関する考え方や思い、あるいは趣味などの話から共通点を見つけることができれば一気に距離を縮めることができます。
これは営業の人たちがよく使う心理テクニックですが、会社内で仲間を作るときにでも非常に役立ちます。
弱みや悩みを打ち明ける
もし、現在自分の弱みや悩みを自覚しているのであれば、すぐにでも周りの人に打ち明けてみることをおすすめします。
もちろん誰かれ構わず打ち明ける必要はありませんが、「この人なら」と思える人がいるのであれば、躊躇なく開示しても良いと思います。
人は弱みを見せてくれた人に対しては真摯に向き合おうとしますし、どこか親近感のようなものを抱くものです。
また、自分の“本音”の部分を正直に打ち明けることで、相手の警戒心は解かれ、深い付き合いにも発展しやすくなります。
もし、職場で「信頼できる良き理解者が欲しい」と思うのであれば、まずは自分の情報をできるだけ包み隠さずに公開してみてください。
すぐに信頼関係が築けるわけではありませんが、少ない接触回数で着実に仲を深めていくことができるでしょう。
ストレスの少ない過ごし方を見つけることが大切
会社の中で孤立してしまうことは、ほんの数年前までは100%悪い状態だと考えられてきましたが、現代ではそうではありません。
ITやインターネットの普及で個人の起業率は飛躍的に高くなり、「一つの会社で何十年勤めていたか?」ということの価値も薄れつつあります。
それよりも転職を繰り返してキャリアを蓄積している人に企業の求人も目を向け始めているのです。
こういった就職状況の中で、一つの会社内で小さな人間関係の悩みに振り回されることは賢明ではありません。
人付き合いによるしがらみによって、仕事や日常に悪影響が出てしまうくらいであれば、あえて「孤立を選ぶ」という道もあります。
孤立を選ぶにしろ組織内で生きるにしろ、”どちらが自分らしい生き方か?”ということをしっかりと自問自答してから選択することが大切です。
そして周りとの付き合い方や距離感をよく見定め、よりストレスの少ない会社の過ごし方を見つけていくようにしましょう。
1つでも参考になったことがあれば幸いです。
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