生きづらさの解消

素の自分をさらけ出すには?『自己受容』でありのままの自分に自信を持つ方法

「素の自分を出すと嫌われてしまいそうで“いい人”を演じてしまう」

「誰かといるとどこか緊張して疲れてしまう」

こういったことはないでしょうか。

“本当の自分とは違うキャラクター”を装っていると、とても気疲れしてしまいますね。

『演じる』『装う』というと何か悪いことをしているかのように思えますが、当の本人は“無意識”に行っているため悪気があるわけではありません。

しかし、“素の自分”と“演じるキャラクター”とのギャップが大きいほど無理が生じ、誰かと一緒にいることがどんどん苦痛になっていってしまいます

 

素の自分を包み隠さずに表現するためには、【自己受容】という言葉の意味をよく理解することが大切です。

自己受容の意味を知り、そのやり方を身につけることで、素の自分に自信を持つことができ、“ありのままの自分”を堂々とさらけ出せるようになります。当然、偽りの自分を演じる必要もなくなります。

ぜひ、ここに書いたことを実践してみてください。そうすることで、人付き合いで気疲れしたり、モヤモヤや罪悪感を抱くことも少なくなるはずです。
できる限りわかりやすく説明していきますので、どうぞ最後までお付き合いください。

素の自分に自信が持てないのは『自己受容』ができていないから

素の自分をさらけ出せないことで、本音を口にできなかったり周りに気を遣いすぎてしまうことはつらいことです。

しかし、多くの人が自分のレールの上に別の人格を乗せ、人生という名の電車を走らせています。

ではなぜ”本当の自分”で生きられないのでしょうか?

それは、”自己受容”ができていないからなのです。

自己受容とは?

「自己受容」とは、”自分自身を受け入れること”です。

たいていの人は、自分の長所や人に自慢できるようなことは積極的に受け入れることができます。

しかし、それが「欠点」や「短所」だと、なかなか認めることができません。

自己受容とは、こうした“認めたくない部分”も含めた自分を

『ありのままに受け入れること』

をいいます。

  • 自分の欠点や嫌いなところを見て見ぬふりをしてしまう
  • 自分の短所をつい隠そうとしてしまう

こうした状態は、「自己受容ができていない」状態であり、本来の自分を周りに表現することが難しくなってしまいます。

これがエスカレートすると、本当の自分がわからなくなったり、人によってコロコロと態度を変えてしまうようなことも増えていきます。

自己受容できない人の特徴

では、自己受容ができない人は具体的にどのような特徴を持っているのでしょうか。

以下が、その特徴になります。

自己受容できない人の特徴
  • 自分に自信が持てない
  • 否定的に自己評価してしまう
  • 他人に合わせてしまう
  • 他人からの評価を過度に気にする

こういった特徴に当てはまる場合、「自己受容ができていない」可能性が高いといえるでしょう。

自分の欠点を本当の意味で許すことができないと、「欠点がある」=「ダメな自分」と解釈してしまいがちです。

このような状態ではなかなか自信を持つことができませんし、他人の目ばかりを気にして生きていくことになってしまいます。

素の自分に自信を持つことは、『できている部分』と『まだまだな部分』をありのままの形で受け入れていくことから始まります。

そうして正しい自己評価ができるようになった上で、様々な経験を積み、自信をつけていけばよいのです。

自己受容して素の自分に自信を持つ4ステップ

続いて、具体的な『自己受容のやり方』、そして『自信をつけていく方法』を4ステップで解説していきます。

ステップ①「ダメな自分」と向き合う

つい他人に対して『いい人』を演じてしまうような方は、まず「自分のダメな部分」から目を背けることをやめなくてはいけません。

自分の欠点や隠したい事実は誰でも持っているものですが、そのまま放置してしまうと、いつまでも不足感や生きづらさを抱えることになります。

『自分の欠点と正面から向き合うこと』が、自己受容の基本となります。

まずは自分の欠点をよく知るために、「ダメな自分」や「直したい部分」をピックアップしてみましょう。

ここまで進めることができれば、自己受容の半分はできるようになったと思っていいでしょう。

ステップ②良し悪しの判断をせず、ただ許す・認める

自分の欠点や嫌いな部分を洗い出すことができたら、次にそれを「許して認める」作業に移ります。

多くの人は、自分の欠点や嫌いな部分を「良くないところ」と思って包み隠そうとしたり、あるいは“なるべく見ないように”してしまうものです。

しかし、自己受容するには、まずそれを良し悪しで判断するのではなく、「事実」として認めることが大切です。

たとえば、以下のような欠点があったとしましょう。

  • 人前でいつも緊張してしまう
  • ネガティブ
  • 人とコミュニケーションをとるのが苦手

大切なのは、これを一切ゆがめることなく『その通りだ』と素直に認めることです。

「今の自分には事実としてこうした面もあるんだ」

「これが今の自分の特徴なんだ」

そう思えるようになることが大切です。

これは自分の将来を諦めることでも、妥協することでもありません。

理想の自分に変わっていくために、『現在の自分』を正しく知る必要があるのです。

今の自分を正直に受け入れることは、いわば“変わることへの下地作り”だといえるでしょう。

自分の欠点を認めることは容易なことではありませんが、つらい感情を押し殺したり、否定するのではなく、正直に受け止めてやることが大切です。

ステップ③人に打ち明ける

3つ目のステップは、ステップ①でピックアップした欠点を、周りの人に”打ち明ける”ことです。

欠点をさらけ出すことができれば、もう「いい人」を演じる必要はなくなります。

・「昔から緊張しいで、人前に出るとすぐアガっちゃうんだよね」

・「本当は結構ネガティブなんだよね」

こんな風に、誰かに打ち明けてみましょう。

話を切り出すタイミングがない場合は、アドバイスを求めるような形で打ち明けても良いでしょう。

「〇〇さんって、人と会話するのとても上手ですよね!私、昔からコミュニケーションが苦手なんです。よければコツを教えてもらえませんか?」

こうして人に欠点を打ち明けることで、自分の頭の中だけで漠然と考えていたことが整理され、より深く理解できるようになっていきます。また、自分の胸の中にしまってあった感情を吐き出すことで、気持ち的な負担を減らすことができ、本当の意味で欠点を受け入れられるようになっていきます。

 

まだ人に話せるレベルではない場合は、誰かに打ち明ける代わりにノートに書き出すところから始めても良いでしょう。これまで自分の欠点や嫌いな部分を人に見せないようにしてきた人なら、心のわだかまりをノートに書き出して自分の目で見るだけでも勇気のいることです。

しかしそのノートは誰にも見せる必要はありませんし、書き終わったら破って捨ててしまっても構いません。

欠点を打ち明けることは初めはハードルが高いですが、その分得られる効果・メリットは計り知れないものがあります。勇気を出して言葉にしてみると、肩の荷が下りたように心が一気に軽くなるでしょう。

ステップ①~③を実践し『自己受容』を身につけることで、徐々に素の自分をさらけ出せるようになっていきます。

そうしたら、次にありのままの自分に『自信』をプラスしていきましょう。

ステップ④素の自分に自信を持つためのアファーメーションを行う

自信強化の方法として、スポーツの分野ではずいぶんと前から用いられているテクニックに、『アファメーション』があります。

アファメーションとは、”肯定的な言葉”を繰り返し唱えることで、その言葉通りの結果を手繰り寄せていく方法です。

「嘘も100回言うと本当になる」という言葉があります。理想の自分や結果を何度も宣言することで、脳はすっかりその気になってしまうのです。

毎日反復していくうちに、自分自身に対するイメージがポジティブな方向へ変わっていったり、また周囲に対するイメージも良いものに変わっていきます。

このテクニックを使って、まっさらな自分にプラスのイメージを上塗りしていきましょう。

アファーメーションのやり方

アファーメーションを始めるにあたって、以下のような自分なりの『アファーメーション文』を用意します。

〈アファメーションの例文〉
  • 「私は自分の可能性を信じている」
  • 「私は落ち着きと自信を持って会話することができる」
  • 「私には必要な能力がどんどん湧いてくる」

こうしたアファーメーション文を作り、『朝起きた後or夜寝る前』に声に出して複数回読み上げましょう。

アファーメーション文の作り方には簡単ないくつかのルールがあります。

〈作り方のルール〉
  • 「私は~」から始める
  • 「~しない」といった否定文ではなく、肯定文にする

「これから頑張っていく」とか「いつかこうなるだろう」といった”後回し的”なものや、「私は自信がない自分は認めない」などといった否定文にはならないようにすることが大切です。

アファメーションを始めても、最初は結果がすぐについてこないことで違和感を覚えることがあるかもしれません。しかし毎日続けていくと、脳にプラスのイメージが刷り込まれていくに従い、少しずつ感情や行動に変化が現れはじめます。

  • 前向きな気持ちを持てるようになる
  • 行動の範囲が広がる
  • 失敗してもへこまなくなる
  • チャレンジする意欲が湧く

こうしたうれしい変化を感じることができれば、アファーメーションの効果が現れている証拠です。

初めは『自分の足りない部分を補うようなアファーメーション』でもいいですが、慣れてきたら『長所を伸ばしていくようなアファーメーション』を作ってみると良いでしょう。

そのほうが、自信をより強化していくことができるはずです。

最後に:欠点を受け入れて等身大の自分を好きになろう

今回は「自己受容して素の自分に自信を持つ方法」を解説しました。

どんな人でも、“欠点”と思える部分は持っているものです。しかし、その欠点をひたすら隠そうとしたり、違う自分を装ってしまうと、たちまち生きづらくなってしまいます。

『不完全さ』を受け入れ、それを笑いながら他人と冗談でも交わせるようになれば「自己受容」の課題は十分にクリアできたと言えるでしょう。

自己受容を通して『等身大の自分』を知り、その上に理想の姿を上塗りしていく。

こうすることで、素の自分に自信をつけていくことができるはずです。

ぜひ何度も読み返し、実践してみてください。

少しでも良くなることを願っています。



〈まとめ〉

  • 「自己受容」とは自分の欠点も含め“ありのまま”に受け入れること
  • 自分の欠点や嫌いな部分を洗い出すことが自己受容の第1ステップ
  • 自分を良し悪しで判断せず「ただ認める」「許す」ことが自己受容の第2ステップ
  • 自分の欠点を「人に話すこと」が自己受容の第3ステップ
  • 「アファメーション」で“ありのままの自分”に自信をつけていくことが最終ステップ
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てるてる(荒木明)
てるてる(荒木明)
HSP・内向型専門カウンセラー。北海道 札幌市在住。 若い頃から繊細で傷つきやすい性格に悩まされる➔弱い自分を否定し続け対人恐怖症・うつ病を経験。自分の気質を受け入れ、心の機能について一から学ぶことで今ではとても生きやすくなりました。 メール相談を通して、一人ひとりのお悩みに対するアドバイスを行っています。 >>詳しいプロフィール
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