「なぜ私はいつもこうなんだ」
「私はあの人よりも劣っている」
「やっぱり私はダメなんだ」…
人間関係で悩みやすい方、人付き合いに対して苦痛を感じてしまう方には、こうした「自己嫌悪」に陥ってしまう方がとても多いです。
こうした感覚を持っていると、うまく自分を認めてやることができないばかりか、他人に対してもつい否定的な態度をとってしまったりします。
自己嫌悪は、一種の“思考のクセ”のようなものですので、その特徴をきちんと知ることで改善していくことも可能です。
自己嫌悪感がなくなれば、自分に対して正しい評価を下すことができるようになり、自信を取り戻すことにもつながります。
自己嫌悪をなくすためには、まず「どんな人が自己嫌悪を抱きやすいのか?」、また「自己嫌悪を抱きにくい人はどんな人なのか」を知ることが大切です。
ここでは、自己嫌悪に陥りやすい人とそうでない人の特徴や違いについて解説します。ぜひ、ご自身の考え方や行動と照らし合わせながら読んでみてください。
この記事の目次
自己嫌悪とはどんなことをいうのか
「自己嫌悪」とは、”自分のことを嫌になってしまうこと”を言います。
誰でも自分のことを一番考えているはずなのですが、なぜか”愛せない”感情が湧いてしまうのです。
- 誰かに褒められても素直に受け止められない、つい否定してしまう
- 他人と自分を比べて嫌気がさす
- 「こんな自分には価値がない」と思ってしまう
こうした考え方も自己嫌悪の一種だといえます。
とくに日本人は奥ゆかしさや謙虚さを美徳とする風習がありますので、こういった価値観で生きている人に対して特別な違和感を感じることは少ないのかもしれません。
しかし、その価値観のせいで、いつの間にか本来の自分の感情が押さえつけられてしまうことがあります。
この感情の押さえつけが“癖”のようになってしまうと、なかなか自分の本心を言うことができなくなったり、素の自分をさらけ出すことが難しくなったりします。
すっかり人付き合いが苦手になってしまって、人との関わりを避けるような行動に出てしまうことも少なくありません。
過剰な謙虚さはストレスになる
自分に厳しく、周りに過剰なほど謙虚になってしまう人は、一見人当たりが良い印象を与えられるかもしれません。
しかし、時間が経過して人間関係が深まっていくと、次第にその関係自体に疲れてしまい、ストレスさえ感じてしまうようになってしまうことも少なくありません。
人と人が良好な関係性を保つためには、お互いに心地よい時間を共有することが基本です。
一方がその関係性にストレスを感じてしまうと、その感情は知らず知らず相手に伝わり、理想的な友情や信頼関係を築くことが難しくなってしまいます。
過剰なほどの謙虚さは、ある意味で「猫をかぶった状態」とも捉えることができます。ストレスフリーな人付き合いをするためには、まずは自分自身の欠点を受け入れ、それを他人にもさらけ出す努力をすることが大切です。
人間関係で自己嫌悪に陥る人の特徴
人間関係で自己嫌悪に陥ってしまう方には、ある共通した特徴があります。
以下の項目で当てはまるものがないかチェックしてみてください。
ないものねだりをするクセがある
「隣の芝生は青い」という言葉があります。
これは、他人の持っているものが自分のものよりも魅力的に見える・・・という人間の心理を突いた言葉です。
性格・環境・資質・地位など、誰しも他人の所有物に対して「羨ましさ」や「憧れ」のような感覚を抱くことはありますが、そういった出来事に遭遇する度に自分に対して強い不満を抱いてしまうことも、自己嫌悪の原因となります。
このような感覚は、常に自分にないものばかりを探し求め、“今あるもの”には目もくれない姿勢です。“ない”部分ばかりに焦点を当て嘆いていては、いつまで経っても自分を認めて肯定してあげることはできないでしょう。
他人と比べて一喜一憂する
自己嫌悪の癖がある方は、とかく他人と自分とを比較してしまいがちです。
他人よりも優れた部分が見つかれば喜びを感じ、反対に自分が下に感じた場合にはがっくりと肩を落としてしまうのです。
スポーツなど競争性のあるものならば、競うことで闘争心に火がつき、それがやる気につながったりしますね。
しかし、恋愛や仕事の成績・ファッションなどの本来競争するようなものではないことに対しても「比較」してしまうと、色々な問題が生じやすくなります。当然これらは“自分のためにするもの”であって、他人と競い合うためにすることではないからです。
顔立ちやスタイルなどの外見要素などで他人と優劣をつけることも、結局は自分を苦しめてしまう考え方だといえます。
自分を認めたり褒めたりする習慣がない
自己嫌悪の性質がある方は、自分に厳しくしてしまう傾向があります。
こういった方は、長所短所を聞かれたときに“短所”はたくさん挙げられるのですが、“長所”を挙げることができません。
自分の成功体験には極端に謙虚になり過ぎてしまい、自分自身を認めたり褒めたりするという習慣がないのです。
これも日本人特有の美徳の観念かもしれませんが、こういったことを続けていくと「自信の蓄積」が足りなくなり、最終的にものごとにチャレンジする勇気や気力さえ喪失してしまう結果にもなりかねません。
嫉妬深く、他人の成功を心から祝福できない
自己嫌悪に悩む方は、「嫉妬しやすい」といった特徴もあります。
先ほどの「他人と比べて一喜一憂する」でも書いたように、何に対しても”勝ち負け”の考えを持ってしまうことが、“嫉妬を生む原因”です。
嫉妬深い人は行動の目的が「他人に認められること」に終始します。それがチームプレイであっても、自分個人の「功績・成績・評価・称賛」にこだわってしまうのです。
他人が競争意識などを持たずに行った行動においても、”勝ち負け”という観念で見てしまうため、「余計な敗北・意味のない挫折」を感じて疲れてしまうことも多くなります。
人間関係で自己嫌悪に陥らない人の特徴
人間関係で自己嫌悪に陥らない人は、特別な縁や運に恵まれているわけではありません。
ちょっとした物事の考え方や捉え方、習慣が違うだけです。
ですので、今まで自己嫌悪を感じやすく悩んでいたような方でも、以下のような考え方を取り入れることによって自分を正しく評価できるようになるはずです。
今あるものに感謝する
目の前のことに感謝できる人は、現状の自分に焦りや不満といったネガティブな感情を抱くことが少ないため、いつも自然体で精神状態も安定しています。
しかし、自分の性格や経済状況・学歴や所有物に不満を持つ人(感謝できない人)は、常に充足感が持てずに苦しんでしまいます。
精神的な少しの違いだと思われるかもしれませんが、感謝の気持ちはその人の「運」や「幸福度」を決定づけるほどに重要なものです。
「感謝の気持ち」を持つ人は、今の自分に与えられたものを大切にします。それは人間関係においても同じで、自分の周囲にいる人たちを大切に思う気持ちを大切にし、ささいなことに対しても感謝の気持ちを忘れません。
- 「いつも挨拶を返してくれてありがとう」
- 「おいしいご飯を作ってくれてありがとう」
- 「私を気にしてくれてありがとう」
こんな風に、一見当たり前のことのように感じてしまいがちなことにも心から感謝します。すると心が浄化され、自分のことも素直に認められるようになります。
「過去の自分」と比較し、自己ベストを目指す
自己嫌悪に陥りにくい人は、比較の対象が「他人」ではなく「過去の自分」に設定されています。
これは「自己ベスト」を目指す姿勢です。
◇自己ベストを目指す◇
誰かと競うのではなく、常に自己ベストを意識しよう
今できることを、もう少しうまくできるように努力する
今日できなかったことを、明日はできるように少し工夫してみる
そうすれば他人と比較して消耗することもないし、一日一日をもっと大切に生きることができる
— てるてる@生きづらさ解消 (@teruteru_tw) 2018年8月28日
この考え方が身についていると、誰かと比較して自己嫌悪に陥ることがありません。
また、昨日の自分を超えるために前向きな気持ちで努力することができるので、自己肯定感を育むことにもつながります。
自己肯定感は自信を持つことに直接結びつきますので、多少の困難に遭遇しても心が大きく揺らいでしまうこともありません。
比較対象を「他人」から「自分」にするだけで、こうしたプラスのスパイラルが起こすことができるのです。
自分を認める・褒める習慣を持っている
自分のことを正しく評価できる人は、ありのままの自分を直視し、長所だけでなく短所も認めます。そして褒めるところは褒め、反省すべき点は反省することができます。
これに対し、自己嫌悪に陥りやすい人は自分に厳しすぎるばかりに、自分で自分を褒めることがほとんどありません。また、何かに失敗したときも、“次につながる反省”ではなく、ただただ「落ち込んでしまう」傾向にあります。
どんな人でも「承認欲求」というものがあり、人は認めてもらうことができないと心の置き場がなくなってしまい、劣等感や無力感を感じるようになります。
ですから、たとえ他人に認められなかったとしても、自分で自分のことを認めてあげることが大切なのです。
- 「今日もよく頑張ったな、お疲れさま!」
- 「失敗はしてしまったけど、よくチャレンジしたな!勇気があるな!」
- 「毎日ちゃんと挨拶しているな、えらい!」
内容はどんなことでもいいので、自分の頑張りを褒める癖をつけると少しずつ自分を肯定できるようになっていきます。
最後に:自分を認めてあげると、人からも認められやすくなる
自分に厳しく、なかなか自分を認めてあげる機会がなかったという方は、今日からでも良いので「自分を褒める習慣」をつけてみてください。
そうすることで、「自己肯定感」が育まれていくのと同時に、自己嫌悪に悩まされることが少しずつ減っていくはずです。
自分のことを前向きに評価できるようになると、顔つきや態度、余裕などに変化が表れます。その自信のおかげで、不思議なくらいに周りの人からも認められやすくなっていくでしょう。
「人間関係がうまくいかない」「いつも自分を責めてしまう」といった方は、ぜひ今回ご紹介した方法を試してみていただきたいと思います。
少しでも良くなることを願っています。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
〈まとめ〉
- 自己嫌悪とは「自分のことが嫌になる」思考
- 自己嫌悪に陥りやすい人は「ないものねだりする」「他人と比較する」「自分を認めない・褒めない」「嫉妬深く他人の成功を認められない」といった特徴がある
- 自己嫌悪に陥りにくい人は「現状に感謝する」「過去の自分と比較する」「自分をよく褒める」といった特徴がある
- 自己嫌悪をやめれれば人間関係もうまくいきやすくなる
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