周囲に不機嫌な人がいるとドキドキする。自分が何かしたのではないか?と不安になる。ご機嫌取りをした結果、いいように使われてしまう。。
もしかすると、HSPの人にはこうした経験があるかもしれません。
人の気持ちや感情に敏感であることから、相手の機嫌に意識が向きやすく、それに合わせた言動が増えてしまうのです。
本来の自分を抑えてまで相手を優先するようなこともあり、そうした状況が続くと人付き合いに対するストレスや疲弊も蓄積していってしまいます。
こうした問題を抱えやすいHSPの人が、周囲に振り回されずに心地よく過ごしていくためにはどうしたらよいのでしょうか。
私が「選択肢」として日々意識していることを3つご紹介したいと思います。
この記事の目次
①関わらない
少し冷たい印象を持たれるかもしれませんが、人のエネルギーの影響を受けてしまいやすいHSPにとって、「関わらない」という選択肢を持っておくことは非常に重要なことであると私は思っています。
人を疑うことを知らない純真な人ほど、どんな人とも“平等に”、そして“誠実に”向き合おうとします。
たとえそれが、自分にとってマイナスな影響を与えてくるような相手でも、です。
HSPが「境界線が薄い」ということはすでに広く知られていますが、外部の影響をもろに受けてしまいやすいHSPが、そのような相手と関わりを持つことは非常に大きなリスクがあります。
例えば、
人の元気や活力を吸い取る「エナジーバンパイア」のような人に自分から積極的に近づき、知らぬ間に健康被害を受けてしまう
良心を持たない「サイコパス」のような人に支配され、相手のいいように利用されてしまう
といったマイナスの影響を、“気づかないうちに”受けてしまうのです。
そして、こうしたタイプのターゲットとなりやすいのが、
- 純粋で素直な人
- 不機嫌な人を見ると放っておけない人
- 自分が悪いことした?などと不安に思ってしまう人
なのです。
HSPの人はもちろん、「いい人」や「お人好し」といわれることが多い人も要注意だといえます。
エナジーバンパイアやサイコパスには、「不機嫌をすぐ態度に表す人」が多いため、そうした人に遭遇したときにはやはり「関わらない」という選択をとることが賢明です。
もちろん、会社内などの人間関係では「関わらない」という選択をするのが難しい場合もあると思います。
その場合は、次に挙げる『距離を離す』という方法を試すと良いかもしれません。
②距離を離す
エナジーバンパイアやサイコパスに限らず、自分の不機嫌を何の躊躇もなく周りにまき散らかすような人はいます。
何か嫌なことがあって一時的に不機嫌になってしまうことは仕方のないこととして、それを周囲にぶつけるかのような態度を示したり、気持ちを切り替えようともせずにいつまでもムスッとした表情で居続ける人は、周りへの配慮がない自己中心的な人だといえます。
自己中心的ということは、自分のことだけ考えて「周りのことは全然考えていない」ということです。
そうした人から勢いよく放たれる負のエネルギーは、バリアの薄いHSPにとって非常に強い刺激(悪影響)となります。
もし、現実的にこのような人との関わりをなくせない場合は、「距離を離す」だけでも悪影響は軽減できます。
「距離を離す」とは、物理的にもそうですが、それも難しい場合には“心理的”な距離を置くと良いでしょう。
- 席を離す
- 身を置く環境を変える
- コミュニケーションの機会を減らす
など
- 一歩引いた感覚で接する
- 感情の反応を小さくする
- 関係を深めようとしない
など
こうして「相手によって距離感を変える」意識を持つことで、不快な人につきまとわれたり、またそうした相手に自分から近寄ってしまうのを防ぐことができます。
③心理的な境界線を設ける
自分と他人との間に境界線を設けることは、人間関係における不要なストレスを減らすために必要不可欠なことです。
特に、
- 「不機嫌な人を放っておけない」
- 「何か言われるのではないかとビクビクしてしまう」
- 「不安を払拭するためにご機嫌とりをしてしまう」
といった方は境界線の意識をより強く持つ必要がありそうです。
ここでいう『境界線』とは
- 責任
- 問題
- 感情
- 選択
などが挙げられ、自分と他人のそれらが混同してしまうことで、様々なストレスを抱えやすくなります。
たとえば、誰かの不機嫌を自分の責任であるかのように受け取ってしまったり、相手の問題や責任を代わりに背負ってしまったりといったことが頻繁に起こるのです。
反対に、本来自分に責任があることを誰かのせいだと勘違いしてイライラするようなことも起こりやすくなります。
これらはどれも、境界線を越えてしまう(越えられてしまう)ことで起きる問題です。
ここで、先ほどの
「誰かの不機嫌を自分の責任であるかのように受け取ってしまう」
を例に挙げて考えてみましょう。
同じ部署で働く田中さんと鈴木さんがいます。
田中さんは周りに不機嫌な人がいると「自分が何かしたかな?」「さっきの言い方が悪かったのかも」などと不安になり落ち着かなくなってしまいます。
そんな田中さんのすぐ隣の席に座っているのが鈴木さんです。
鈴木さんはちょっとしたことで不機嫌になることが多く、それを間近で見ている田中さんは、鈴木さんの一つ一つの言動によって心の状態が大きく揺れ動いてしまうのでした。
話し方や態度、声のトーン、受話器の置き方…
そうした言動に違和感を感じると、つい不安になって「何か手伝おうか?」「ついでにこれやっておくよ」などと、頼まれてもいない仕事を自ら引き受けてしまいます。
そんな田中さんの心の内を知らない鈴木さんは、特に態度や機嫌を変えることはありませんでした。
いつしか田中さんは、鈴木さんに対して「あんたにどれだけ尽くしてると思っているんだ!」といった強い怒りの感情を抱くようになりました。
この例で、相手の境界線を越えてしまっているのは、田中さんと鈴木さんのどちらだと思いますか?
正解は、『田中さん』です。
“不機嫌”という状態は鈴木さんの問題であり、その感情をどう処理するのかは鈴木さんの責任です。
イライラすることで仕事に支障が生じたり、周りから冷たい視線で見られたりすることがあっても、それは鈴木さんが「不機嫌でいること」を選択した結果であり、その責任の所在は鈴木さんにあります。
そんな鈴木さんの気持ちをなだめようと色々なことをやってあげているのは田中さんの選択であり、田中さんの責任です。
たとえ望むような見返りがなかったとしても、田中さんの意志でその行為をしている以上、相手を責めることはできないのです。
ここをよく理解しておかないと、
- 「せっかくやってあげたのに!」
- 「こんなに尽くしてるのに!」
といった怒りの感情が湧いてきてしまうでしょう。
人の不機嫌は人のものであって、自分がそれを勝手に背負ってしまってはいけないのです。
「頭でわかってもなかなか腑に落ちない」という方もいらっしゃると思います。
そのような方は、以下の言葉をつぶやくようにしてみてください。
- あの人の機嫌はあの人のものだ
- 私には別の感情があるんだ
- 私にあの人の機嫌を背負うことはできない
- 私は私の気持ちを大切にするんだ
- そのためには、あえて離れることも大切だ
こうして自分と他人の境界線を意識することで、不要なストレスや疲弊を大きく軽減することができます。
相手の機嫌に意識を向けるよりも、まずは自分が心地よくいられる選択をしましょう。
それを可能にするのが、今回ご紹介した
- ①「関わらない」
- ②「距離を離す」
- ③「境界線を設ける」
といった方法です。
きっとどんなシチュエーションにも、3つのうちのどれかは当てはめることができると思います。ぜひ試してみてください。
また、人の気持ちに敏感な方は、本当は嫌なことであっても断れずに「我慢」や「無理」をしてしまうことも多いと思います。
自分よりも相手をつい優先してしまう、自分が我慢すれば済むと思って嫌なことを引き受けてしまう。
そうしたことに心当たりのある方は、ぜひ以下の記事にも一度目を通してみてください。
今回ご紹介した内容が、少しでも役に立てば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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