「ガヤガヤうるさい場所に行くと疲れてしまう…」
こういった方は多いのではないでしょうか。
私自身でいうと、街中やお祭りなどの騒がしいところではエネルギーを消耗しやすくなります。とくに大きな音や声に対して嫌悪感を覚えることが多く、そうした場所で長時間過ごすとグッタリしてしまうこともあります。
実はこうした“音”や“声”に対する敏感さは、生まれながらに持っている気質や、何らかの症状や病気が関係している場合があります。
今回は、うるさい場所にストレスを感じてしまう方に向けて、その原因や対処法をご紹介したいと思います。
この記事の目次
うるさい場所にストレスを感じてしまいやすい気質や症状
うるさい場所にストレスを感じてしまいやすいのは、生まれつきや、何らかの症状である可能性があります。
HSP(エイチ・エス・ピー)
HSPとは、Highly Sesnsitive Personの略で、日本語では「人一倍繊細で敏感な人」という意味です。アメリカの心理学者アーロン氏が提唱したもので、だいたい5人に1人はHSPだといわれています。
HSPは発達障害と混同されることがあるのですが、障害ではなく生まれ持った特性(気質)であることを認識しておきましょう。
HSPの人は、あらゆる刺激に敏感に反応してしまうことで生きづらさを抱えています。人の気持ちが自分のことのように感じられるので、人が叱られているのを見ると自分も叱られているかのような恐怖を感じてしまったり、空気を読みすぎてどう振舞えばいいかわからなくなったりというような問題を感じていることが多くあります。
気持ちや感情に関する敏感さだけでなく、感覚に関する敏感さを抱えているのも大きな特徴です。肌ざわりや光などの視覚刺激、音などの聴覚刺激に対して、人より敏感に反応してしまうのです。
ガヤガヤうるさい場所が苦手というのは、HSPならではの過敏さのせいなのかもしれません。
私自身、数年前に自分がHSPだということを知り、今まで感じていた生きづらさの正体がわかり安心しました。今ではHSPという気質を誇りにさえ思えるようになりました。
心当たりのある方は一度セルフチェックをしてみてください。
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ミソフォニア(音嫌悪症)
ミソフォニアは、他人が出す特定の音に対して異常に嫌悪感を感じてしまう症状をいいます。
たとえば、
- 食べ物を食べる音(咀嚼音)
- 鼻をすする音
- くしゃみ
- パソコンキーボードの音
こうした音に対して過剰に反応し、居てもたってもいられない、発汗するといった症状が現れるようであればミソフォニアの可能性が考えられます。
これらは、何らかのストレス症状とも考えれていますが、はっきりとした原因はわかっていません。
アスペルガー症候群
アスペルガー症候群は発達障害の一種です。
コミュニケーション能力や社会性、想像力などに問題を感じやすく、知的な遅れや言語の遅れなどは見られないという特徴を持ちます。
知的な遅れがないため、自分がアスペルガー症候群だと気づかず、生きづらいと感じながら生活している人も多いといわれています。
- 空気が読めない
- 冗談が通じない
- 相手の気持ちを想像して発言ができない(太っている、はげているなどのコンプレックスをそのまま言ってしまうなど)
- 記憶力や集中力があることが多いが、その対象が偏っていることも多い
というようなものがあります。
こうした特徴の中に、感覚過敏というものがあり、うるさいところが苦手という傾向を持つ人も多く見られるのです。
なぜアスペルガー症候群の人が音に敏感なのかということの原因ははっきりわかっていません。おそらく音を伝える神経やホルモンが人と違っているのではないかといわれています。
苦手の出方も人それぞれで、単に大きい音が苦手というだけでなく、赤ちゃんの声や子供の声といった特定の声が苦手という人もいますし、チャイムや救急車の音といった予測できない音が苦手という人もいます。
体調などのコンディションで苦手な音が変わったり、反応する度合いが変わったりすることもあります。
他人からするとたいしたことない音に聞こえても、本人にとっては「黒板をひっかくような不快な音が大音量で流れている」というように聞こえていることもあるのです。
うるさい場所が苦手という以外にも、コミュニケーションや社会性で生きづらさを感じているのであれば、アスペルガー症候群が原因になっている可能性があります。
うつ病
うつ病になると、音が気になるという症状があらわれることもあります。
音が気になるという症状と一口に言っても、「大きな音が響くように聞こえる」、「高い音が歪んで聞こえる」、「周りの雑音が気になる」、「耳鳴りがする」など症状は様々です。
原因ははっきりしていませんが、自律神経の乱れが関係しているのではないかと推測されています。一度音が気になり出すと、常に気になってしまい、そのストレスがさらに自律神経を乱すという悪循環に陥ってしまうこともあります。
音が気になるという症状以外に、
- 気分が落ち込む
- 楽しいという気持ちが起こらない
- 涙がすぐに出る
- 死にたいと思う気持ちがある
- 眠れない
などといった症状があるのならば、うつ病が原因である可能性があります。
うるさくてストレスを感じてしまいやすい場所
「ガヤガヤうるさい場所が苦手」といっても、その種類は様々です。
ストレスを感じやすい代表的な場所をピックアップしてみましょう。
- 職場、街中、駅、人ごみなど(大勢の人の声、子供の声)
- お祭り(打ち上げ花火の音、大勢の話し声、お囃子などの音)
- 保育園や幼稚園の近く(子供の声、赤ちゃんの泣き声)
- テーマパーク(大勢の人の声、子供の声)
- ゲームセンターやボーリング場(ピコピコ音やボーリングの音)
- レストランや飲食店(大勢の人の声、ドアの開け閉めの音、食器が触れ合う音)
- ショッピングセンターやスーパー(大勢の人の声、アナウンス)
他にも、救急車やパトカーなどの音、電車が来る時のチャイム、学校のチャイムなどが苦手という人は多いです。
またどちらかというと低い音よりも高い音が苦手になる人が多い傾向にあります。
うるさい場所・音の対処法とストレスケア
音によるストレスを完全に避けることはできませんが、すぐにできる対処法はあります。
また、こうしたストレスは知らぬ間に蓄積され、思わぬ精神疾患へと発展する可能性もありますので、普段からストレスケアをしておくことも大切です。
遮音性の高いイヤホンを持ち歩く
遮音性の高いイヤホンをすることで、物理的に不快音を減らすことができます。
特別にうるさい場所でなくても、通勤中や家の中で使うのもおすすめです。余計な音が耳に入ってこないので、意外なほどリラックスすることができますよ。
イヤホンは長時間使うことが多いので、自分の耳にフィットするものを選ぶことが大切です。大きさ別にいくつか入っているものを選べばほぼ問題ないと思います。
注意点として、周りに人や車、自転車が通るような場所ではつけないようにするということです。安全が確保されている場所で、必要な時間だけつけるようにしましょう。
うるさいと感じる場所に身をおく時間を減らす
うるさいと感じる場所にできるだけ行かないようにする(時間を短くする)というのも大事なポイントです。
通勤や職場などはどうしても避けられないかもしれませんが、イベントごとやショッピングモールなどは避けようと思えば避けられます。
ネットスーパーや通販を利用する、人の少ない時間帯を狙って買い物に行くといった工夫でストレスは少なくできます。
一人でリラックスできる時間を多く作る
ガヤガヤうるさい場所で疲れてしまうという人は、意識してリラックスできる時間を作ることが非常に大切です。
特に聴覚過敏を抱えている方は、日常で発せられているような音にも敏感に反応し、大きなストレスを抱えてしまいがちです。ストレスは自律神経を乱れさせ、さまざまな不調をもたらす原因になります。
- 瞑想・ヨガ
- ハーブティー
- アロマ
- ウォーキング
心身が疲れ切ってしまう前に、こうしたリラックス法を、積極的に取り入れるようにしましょう。
最後に 音に敏感になったら早めに対処しよう
たんに「うるさい音が苦手」という方がいることも確かですが、もし過剰に気になるようでしたら何らかの対処をできるだけ早めに行うことをおすすめします。
思わぬ疾患が潜んでいることもありますし、診察を受けることでそれまで感じていた生きづらさの原因がはっきりすることもあります。
原因がわからないままモヤモヤを抱え続けるのはつらいですが、きちんとした診断をもらえれば気持ちがかなり楽になることもあるでしょう。
また、症状を和らげたり、悪化を防ぐ意味でもストレスケアは積極的に行うことをおすすめします。
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