「いつもピリピリしたムードを醸し出している人」
「小言を言ったり物音を立ててイライラ感をアピールしてくる人」
こうした“いつも不機嫌な人”というのはどこの職場にも一人はいるものです。
周囲を不快な気持ちにさせていることに気が付いてないことも多いですが、もし自覚していても、直そうとする気配が感じられない場合もあるでしょう。
そのような人から悪影響を受けないためには、適切な対処法をしっかり身につけておくことが大切です。
『対処法』といっても、相手を撃退したり嫌がらせのようなやり方で強制的に黙らせたりする方法ではなく、相手を見る視点や捉え方の選択肢を増やし、『心の柔軟性を高める方法』を使います。
しなやかな考え方を身につけることによって、他人に流されにくく、動じない心を作ることが可能になります。
この方法は職場のみならず、プライベートの人間関係にも大いに役立てることのできる知識ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事の目次
不機嫌は伝染する!人は良くも悪くも影響を受けやすい生き物

職場のような『複数の人が顔を合わせる場所』では、一人一人の感情の状態がその場全体の雰囲気にも影響を与えます。
その人がいるだけで職場全体が明るい雰囲気になるようなこともあれば、反対にピリピリとした息苦しい雰囲気を蔓延させてしまうような人もいます。
人は良くも悪くも影響を受けやすい生き物ですので、周囲の感情や思いは風邪のように伝染していきます。
そんな中で、「不機嫌な感情」をまき散らかしている人がいれば、たちまち周囲の空気は悪くなってしまうでしょう。
職場の雰囲気が悪いと、人間関係がギクシャクしたり、会話が減ることで仕事のトラブルも増加するなど、様々な弊害が生まれやすくなります。
そうした事態を避けるためには、ひとりひとりが柔軟な思考を身につけ、ネガティブな雰囲気に巻き込まれないようにすることが大切です。
『不機嫌な人』が抱えている過去や心理を知る

残念なことに、たいていの職場には上記のような身勝手な態度をとって周囲を困らせてしまうような人がいます。
とくに、『ある程度の地位を獲得した人』や、『長年働いているような人』の中には、自分の感情を周囲に爆発させてしまうような人がいるものです。
感受性が豊かな人ほど、そうした相手のネガティブな感情や思いをダイレクトに感じ取ってストレスを抱えてしまいがちですので、しっかりと予防線を張っておく必要があるでしょう。
まずは、「なぜそのような態度をとるのか?」という“行動心理”をよく知ることから始めましょう。
相手の本性や考えていることをあらかじめ理解しておけば、一歩引いた目線で“冷静に”相手を見れるようになります。
そうすれば感情移入して息苦しくなったり、自分のペースを乱されるようなことも少なくなるはずです。
職場にいる不機嫌な人の心理
①親に甘やかされて育った

人の性格には、自分の成長段階で体験したことが「プラスとなって現れるケース」と「マイナスになって現れるケース」があります。
たとえば、親に甘やかされて育つと「オープンで親しみのある性格」に育つ場合と、「傲慢でわがままな性格」に育つ場合とがあります。
周囲にチヤホヤされて育つと、自分の考えや感情を抑えることなくありのままに表現することが多くなります。
実に紙一重の差ですが、それが『良い方に出る場合』と『悪い方に出てしまう場合』があるのです。
職場で不機嫌な顔を出してしまう人は、後者のケースだといえるでしょう。
あまり厳しく怒られた経験がないと、「自分は何をしても許される」「結局誰かが助けてくれる」と考え、自分の感情を平気でさらけ出してしまうようになります。
もし、『不機嫌さ』と同時に『わがままな態度』を多く見せるような場合は、このタイプである可能性が高いといえるでしょう。
②弱い自分を見せるのが怖い(強く見せたい)
人の性格は『表の部分』だけを見ていても理解できないものです。
周りに対して強気な態度で厳しく当たっているような人も、本当はもろくて傷つきやすい性格を隠しているだけのようなこともあります。
弱い自分を隠すために『近づくと危険なキャラ』を作って心の鎧にしているのです。
高圧的な人は、断られて自分が傷つかないように強く見せているだけ。冷たい口調、強い口調で誰かに威圧されても、決して萎縮したり怖じ気づく必要はない。
「ああ、この人は本当は弱い人なんだな」「傷つくのが怖いんだな」と思っておけばいい。
そうすれば、自分のペースと冷静さを保つことができる。— てるてる@生きづらさ解消 (@teruteru_tw) 2018年10月7日
こうした人がいざ誰かに強く指摘されると、たちまち元気がなくなり、シュンとしてしまうようなことはよくあります。
発言と行動にギャップがあったり、気分の浮き沈みが激しいなど、傍から見ても分かりやすいタイプだといえます。
③神経質で繊細な性格

神経質で繊細な性格の人は、立場に関係なく不機嫌になることがあります。細かいことに気をとられやすく、ささいなことでつい不機嫌になってしまうのです。
このケースは、本人も心に余裕がなく、自分がイライラしていることに気づいていたとしても、どうすることもできない状態です。
神経質な人は『責任感が強い』『プライドが高い』といった特徴を持っていることが多いため、周囲からの手助けを拒み、自分ひとりで何でも抱えようとしてしまいます。
にもかかわらず、「誰も助けてくれない」「どいつもこいつもダメだ」などといった被害妄想を抱え、ピリピリとした雰囲気を醸し出してしまうこともあります。
④他人を見下している

自意識が高く、他人を見下しているような人も、自分の表情や雰囲気をうまくコントロールすることができません。
外見や学歴といったスペックを比較して見下したり、相手の欠点やコンプレックスを馬鹿にしたりして、自分以外の人を「レベルの低い人間」と決めつけ傲慢な態度をとってしまうのです。
そういった人も、何かうまくいかないことがあるとすぐ感情的になり、周囲に怒りをぶつけてしまいます。
その時々の気持ちや感情を大胆に表現するため、近くにいる人を巻き込んでしまうことが多いタイプだといえるでしょう。
いつも不機嫌な人から悪影響を受けないコツ
では次に、上記に挙げたような“不機嫌な人”から悪影響を受けないための具体的な考え方をご紹介します。
この考え方を身につけることで、“不機嫌な人”に限らず、『自分の心を乱してくるような人』に振り回されなくなります。その結果、自分の業務に集中することができ、快適に過ごせる時間も増えるでしょう。
可能であればメモをするなどして手元に残しておき、どうしようもなくイライラした時などに見返すなどしてお役立てください。
『価値観を押し付け』をやめる

自分から見て“何か間違っている”と思うような行動をとっている人がいたら、人はそれを正したくなるものです。
しかし、そうした正義感も、過剰になればストレスの元になってしまいます。
また、『相手に対しての期待が強くなりすぎること』も、同じように自分を苦しめる原因になります。
人に過度な期待を持ちすぎると、「もっとこうして欲しい」という強い不満を抱くようになり、やがて「もっとこうすべきだ」「こうせねばならない」と自分の価値観を押し付けてしまうようになるのです。
一番わかりやすい例が、「自分の子供を育てるとき」です。
わが子に期待を寄せすぎるがあまり、「そんなことでは立派な大人になれない!」「もっと勉強すべきよ!」といった“決めつけ”を、悪気もなく押し付けてしまうようなケースはよくあります。
この種の目線を、他人に向けてしまう人も少なくありません。
- 「機嫌よく働くのが仕事のルールだ!」
- 「もっと周りにやさしくすべきだ!」
- 「もっと周囲に気を遣わなくてはならない!」
こうした自分なりの“良識”や“こだわり”を強く持ちすぎると、そのことばかり気になって余計なストレスを感じてしまうようになります。
中には「私がこの人を正してあげなくてはならない」「きっと周りも迷惑しているはずだ」といったような使命感のような気持ちを抱いている方もいるでしょう。
しかし、こうした考えも結局は『価値観の押し付け』を生み、自分も相手も良い思いはしないのです。
価値観の押しつけをやめる方法

価値観の押しつけは、『自分もこうだから相手もこうだろう』という思い込みから始まります。
これは自分の中の『常識』や『正解』といったようなものです。
確かに、不機嫌な態度をとることは周囲を不快にさせ、職場全体の空気を乱してしまうことがあるのは事実です。
しかし、すべての人にその意識があるとは限りません。
『不機嫌=悪』と捉える人もいれば、そう思わないような人もいるわけです。
例えば、ある人から見ると「ストレスに耐えながらも一生懸命に働いているな」と関心の目を向けるような場合もあるでしょうし、「最近疲れが溜まっているのではないか」といった心配の目を向けることもあるでしょう。
このように、人の『捉え方』『解釈の仕方』というのは実にさまざまです。
『常識や価値観は人それぞれ違う』ということを覚えておけば、相手に自分の価値観を押し付けて苦しむようなことは少なくなるはずです。
相手の言い分や事情を考えると許せる部分も出てくる

どんな事柄にでも、相手の『言い分』や『事情』というものがあります。
『いつも不機嫌な人』に関しても、
「少しずつ直そうと思って努力しているがどうしてもうまくできない」だけかもしれませんし、
「家庭の問題や仕事の問題を抱えすぎて心の余裕がまったく無い」状態なのかもしれません。
そうした『相手の立場』や『気持ち』、『事情』を一度深く考えてみることで、許せる部分や他の見方が見つかることもあります。
少なくとも、「こんな奴は許せない!」「こいつがこの会社をダメにしている!」といった偏った考えを持たずに済むはずです。
この考え方が”相手を許容する”ということにつながり、職場で心の平穏を感じる時間を増やすためには欠かせない思考法なのです。
「絶対にこいつがすべて悪い!」と決めつける前に、相手の置かれている立場や状況を想像してみるようにしましょう。
そうすることで、相手の抱えている問題に気が付いたり、思いやりの視点を持つことができるかもしれません。
それでも感情が反応してしまったら、深呼吸でリセットする

上記の方法で相手と接したとしても、時にはどうしてもイライラしてしまうようなこともあるでしょう。
そんなときにおすすめのリセット方法が「深呼吸」です。
人の心と体は連動して動いています。
もし、嫌な思いや怖い思いをすると、自律神経が興奮状態になり体全体が緊張し始めます。
そして、自律神経や筋肉が緊張すると、今度はその影響で心理的に嫌悪感や不安感を感じるという「負の連鎖」が起きるのです。
この負の連鎖を作らないためには、人と接して少しでも感情がネガティブなほうへ反応してしまったら「リセット」することです。
そして、そのリセット方法として最適な方法が『深呼吸』というわけです。
人体は緊張したり不安を感じるなどのネガティブなモードに入ると、呼吸が浅くなり回数が増える性質があります。
精神疾患を持つ人に「過呼吸」の症状がよく現れるものもこのためです。
意識して深呼吸を数回続けると、自律神経がリラックスを司る副交感神経に切り替わり、冷静さを取り戻せるようになります。やがて体の硬直も和らいでいくでしょう。
不機嫌な人を見て少しでも嫌悪感を感じたら、ぜひその場で深呼吸を試してみましょう。
『深呼吸の効果』や『具体的なやり方』、『続けるコツ』については、以下の記事を参考にしてみてください。

最後に:『相手を変える』のではなく『自分の捉え方を変える』ほうが苦しまない
今回は、『いつも不機嫌な人から悪影響を受けないコツ』というテーマでお伝えしてきました。
自分の感情を乱してくるような相手に出会うと、どうしてもまず『相手』を変えようとしてしまいがちです。
しかし、人を変えるということはそんなに簡単なことではありません。それでも無理に相手を変えようとしてしまうことで、多くの場合はお互いが苦しむことになってしまいます。
『自分の捉え方や解釈の仕方を柔軟にすること』が、人間関係で過剰なストレスを抱えないコツです。
そのために、ぜひ上記に解説した方法を試してみてください。
少しでも良くなることを願っています。


〈まとめ〉
- 不機嫌は伝染し周囲の雰囲気を悪くしてしまう
- 親に厳しく育てられると不機嫌な人になることがある
- 弱い自分の本性を隠すために不機嫌な態度をとることがある
- 神経質で繊細だと不機嫌な人になることが多い
- 他人を見下している人は不機嫌になることがある
- 「価値観の押しつけをやめる」ことで過剰なストレスを回避する
- 「深呼吸リセット」で不機嫌な人からのストレスを回避する
対人関係において不安や緊張を覚えやすく、実生活で精神的苦痛や疲弊を感じやすい性質や傾向を『シャイネス』といいます。
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