心理カウンセラーの荒木明です。
今回は、「人付き合いで緊張してしまう方」に向けて、その理由や解決方法についてお話をします。
- 人と関わる際に自然と肩に力が入ってしまう
- 人と一緒にいると疲れやすい
といった方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
人付き合いで緊張する3つの理由
- 「完全でなければならない」という思い込み
- 自分への批判グセがある
- 本当の自分を認めていない
理由その1.「完全でなければならない」という思い込み
「人といるとどこかリラックスできない」という方は、以下のような思い込みに縛られている可能性があります。
- 相手を不快にさせてはならない
- どんな話題にも乗らなければならない
- いつも笑顔でいなければならない
- 相手の期待に応えるべきだ
- 弱みを見せてはいけない
これらのベースにあるのが、「自分は他の人から見て、完璧でなければならない」という考え方です。
多くの人と関わっていれば、ときには相手を不快にさせてしまったり、期待に応えられないこともあるはずです。
しかし、いつの間にか「完全でなければならない」という思い込みが出来上がってしまった場合、そうした自分の至らなさや未熟さを許すことができず、いつも「完璧な自分」を演じるようになってしまうのです。
- 相手を不機嫌にさせないために気を使い続ける
- 自分の気分とは関係なく「笑顔」を作る
- 我慢・無理してでも相手の期待に応えようとする
これでは人と一緒にいて疲れてしまうのは当然です。
人付き合いの緊張から解放されるためには、まず「自分が完全を求めている」ということに気が付く必要があるでしょう。
その上で、
- 相手を不快にさせてしまうこともある
- 無理してまで笑う必要はない
- ときには自分の弱い部分を人に見せたっていい
といった、より柔軟な考え方を採用していくことが大切です。
理由その2.自分への批判グセがある
人との関わりに緊張を覚えやすい人は、「自分に厳しい判断を下しやすい」傾向があります。
例えば、こんなことはないでしょうか?
初対面の人と会話しているときなどに、
- 「もっとハキハキ話さないとダメだ!」
- 「暗いぞ!」
- 「そんなことで満足してはいけない」
- 「やっぱり自分はコミュニケーションが下手くそだ」
といった自己批判を頭の中で繰り返してしまう…
自分に厳しいほど、何かうまくいったことがあっても「たまたま出来ただけ」「大したことではない」などと過小評価してしまう傾向があります。
反対に、少しでもできないことがあると「なぜ○○なんだ!」「もっと○○しないとダメじゃないか!」などと強く批判してしまうのです。
こうして自分に厳しい目を向けたまま他人と接していれば、人付き合いに強い緊張やプレッシャーを感じるようになってしまうでしょう。
人と安心して関わるためには、まず自分への批判をやめること。そして、自分に対してもっと好意的で温かな目を向けることが大切です。
「自分を責めない」「自分に寄り添う」感覚が身に付くと、
自分だけでなく他人にも「温かな目」を向けられるようになってくる。他人のことを温かな目で見れるようになれば、
他人からも温かな目で見てもらえる(そのような感覚を覚える)ようになる。その感覚が人と関わる際の緊張緩和につながる。
— てるてる@安心感を育む (@teruteru_tw) 2019年4月27日
理由その3.本当の自分を認めていない
本当は苦手なことを得意なフリをしたり、嫌なことに対して平気なフリをしたりする…
人に認められたい、嫌われたくないといった気持ちが強くなるほど、人付き合いにおける「フリ」が多くなります。
こうした状態では、自分の本来の考えや気持ちと異なる言動が増え、ストレスや疲弊が蓄積してしまうことも少なくありません。
人との関わりにおいて「自然体の自分」でいられるようになるためには、“本当の自分”を認め、それを周囲に表現していく勇気が必要です。
ここでいう“本当の自分”とは、欠点や弱点を含めた「不完全な自分」のことです。
「不完全な自分」を認めていない場合、自分の性格や感情、限界をそのままに受け入れることができず、無理して違うキャラクターを演じたり、本当の気持ちを押し込めたりしてしまうことが少なくありません。
人付き合いにおける緊張や消耗から解放されるには、「本当の自分」、つまり「不完全な自分」を認めることから始めると良いでしょう。
そのためには、今まで「そんなことはない」と否定してきたようなことに対して、「その通りだ」と認めていくことが大切です。
- 自分にはコンプレックスがある。
その通りだ。 - 自分には不得意なことがある。
その通りだ。 - 自分は異性と話すと緊張することがある。
その通りだ。 - 自分は今、不安を感じている。
その通りだ。 - 自分は完璧な人間ではない。
その通りだ。
こうして自分の弱さや欠点を認める練習をしていくことで、徐々に「自然体の自分」を人にも見せられるようになっていきます。
自分を受け入れるほど生きやすくなる
ここまで解説したように、人付き合いで緊張してしまうの多くは
- 「完全でなければならない」という思い込みがある
- 自分への批判グセがある
- 本当の自分を認めていない
といったことが原因となり、「自然体の自分」を表現することが難しくなっています。
これらに共通していることは、「自分を受け入れていない」ということです。
自分の問題やネガティブな感情について、
- 「自分には問題はない」
- 「不安になんかなっていない」
などと否定する癖がついてしまっていることで、自分を受け入れることができていないのです。
実際の自分を偽っていれば、人と接する際の息苦しさは増していくばかりです。
「本当の自分がバレるのではないか」とビクビクしたまま他人と関わり続けることになってしまいます。
反対に、自分を受け入れることができれば、「自然体の自分」のままリラックスして過ごせるようになります。
演じたり装う必要がなくなるので、人と安心して関われるようになります。
自分の「本心」と「行動」が一致することで、ストレスや疲弊も激減します。
「自分の欠点を受け入れる」ことは、妥協したり投げやりになったりすることではありません。
現実を正面から受け入れれば、等身大の自分を知ることができ、今の自分に適した努力や生き方ができるようになります。
また、「自分はこうでなければいけない」というこだわりから解放され、肩の力を抜いて人と関われるようにもなるでしょう。
今回お伝えした内容が、少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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