こんにちは。心理カウンセラーの荒木です。
「人の言い争いや大きな物音にビクビクしてしまう」
このようなことはないでしょうか?
今回は、そのような方に向けて「恐怖心をコントロール3つの技術」をお伝えします。
お心当たりのある方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
この記事の目次
言い争い、怒鳴り声、大きな物音が苦手な人の特徴と反応
- 同じ職場の人同士のケンカ
- 電車や駅構内でのトラブル
- 車のクラクション等の大きな音
など…
こうした場面に対して強い苦手意識を持つ方がいます。
たとえ自分が直接関わっていない場合でも、現場の近くにいるだけで過剰反応してしまうのです。
- ドキドキしたり不安になる
- 怖くなって涙が出てくる
- 強い嫌悪感を感じる
- その場から逃げたくなる
実は私自身も幼少期から同じような体験をしており、とくに両親が大声で怒鳴り合っているところを見て、不安と恐怖のあまりいつも泣いていました。
他にも、「バンッ」と突然閉まる扉の音や、お風呂の中で響く大きな声や音などにも過剰反応していた記憶があります。
怒鳴り声や大きな物音にビクビクしてしまう原因
聞いたことがある方も多いとは思いますが、人が不安や恐怖を感じて身構えるのは、もともとは外部の危険から身を守るための生存本能によるものだといわれています。
- 心臓がバクバクする
- 呼吸が速くなる
- 筋肉が硬直する
- 顔が青白くなる
- 体が震える
- 鳥肌が立つ
これらは、差し迫った危険から逃げる準備をしたり戦う準備をしたりするために起こるものです。
(脈が速くなるのは闘争・逃走態勢に入るため。顔が青ざめるのは腕や足に大量の血液を送り込むため。体が硬直するのは相手を刺激しないため、などと考えられている)
言い争いや大きな物音を見たり聞いたりすることで、体は危険を察知し、ほとんど無意識のうちに様々な身体反応を示してしまうのです。
ですから、ドキドキしたり動揺したりしてしまうのは、必ずしも自分が小心者や臆病者だからというわけではないのです。
まずはこの事実を知っておくだけでも少しは安心感につながると思います。
また、これらの反応には個人差があり、もともとの気質や育った環境によっても感じ方が変わってきます。
例えば、生まれつき感受性が強く、刺激を受けやすい気質である場合(HSPや内向型)。
または、過去の私のように小さな頃から争いごとを目の当たりにして恐怖を抱く機会が多かった場合など。
このようなケースでは、他の人よりも怒鳴り声や大きな物音といった刺激に敏感になる可能性は高くなると考えられます。
恐怖心(ビクビク)をコントロールする3つの方法
何かに恐怖を感じたり、ビクビクしている自分に気が付くと、「もっと強くならなければ」「勇敢にならなければ」と思うかもしれません(過去の私はそう思っていました)。
しかし上記で解説したとおり、外部の刺激に対する恐怖心は少なからず誰もが抱く感情であり、完全になくすことはできません。
怒鳴り声や大きな物音に限らず、そうした強い刺激を受けたときに大切なのは、無理に抵抗することではなく、
恐怖という感情を上手にコントロールしてあげること
です。
その際に効果的な方法を、以下に3つご紹介します。
①恐怖心を受け入れる
まず大切なのは、ビクビクしたり恐怖心を感じる自分を恥じたり責めたりしないことです。
恐れの感情は、自分に「危険」を知らせてくれる“合図”のようなもの。
例えば誰かの言い争いを目の当たりにして恐怖を感じても、「なんて自分は弱いんだ」などと責め立てず、「危険だと感じたんだな」「怖かったんだな」とただ認めてあげるだけで良いのです。
たったこれだけでも、怖い気持ちは和らぎます。
反対に、「こんなことでビクビクしてはいけない」などと恐怖心を無理やり打ち消そうとすると、かえってドキドキなどの身体症状は長引きやすくなります。
恐怖心を素直に受け入れる習慣を持つことで、少しずつ怖れに対する過剰反応は和らいでいきます。
②体の反応を静める
人が恐怖を感じたときには、自律神経が交感神経側(興奮・緊張状態)に傾き、ドキドキや震えなど様々な身体症状が現れます。
たとえば他人のケンカや怒鳴り声によって恐怖を感じた場合は、心拍数が増え、人によっては体が震えたりするかもしれません。
東洋医学では、『体と心は連動している』と考えられており、こうした体の反応を静めることで、精神状態も落ち着かせることができるといわれています。
体の反応を静めるリラクゼーション法には様々な方法がありますが、とくに即効性の期待できる方法に、『腹式呼吸』があります。
腹式呼吸は自律神経の調整に最も手軽で効果的な呼吸法であり、誰でも簡単に行うことができます。
- 3秒間息を吸う(鼻から息を吸い、お腹を膨らませる)
- 2秒間止める
- 5秒間かけて息を吐く(口から息を吐き、お腹をへこませる)
この流れをくり返すだけで、自律神経が副交感神経側(リラックス状態)に傾き、少しずつ体と心の緊張がほぐれていきます。
争いごとや大きな物音に対する恐怖心でなくても、様々なシチュエーションに有効なリラクゼーション法です。
ぜひお試しください。
③心理的な距離を置く
例えば他人同士のケンカを見て、なぜか関係のない自分まで苦しくなってしまう方は、とても感受性の豊かな方なのだと思います。
そうした方は人の感情やエネルギーを敏感に感じ取りやすいので、他人の不機嫌にも過剰に反応してしまう傾向があります。
そのような方は、心理的な距離を置くことがおすすめです。
具体的には、
- 一歩引いた感覚で(俯瞰して)見る
- 相手の痛みや感情を自分事にしない
- 境界線をイメージする
などが挙げられます。
感受性が豊かな人ほど、相手に感情移入するあまり、その状況を自分に置き換えて考えてしまいます。
その結果、本来であれば関係のない『自分』まで疲弊してしまうのです。
感情移入してしまいそうになったら、自分と他人の間に境界線を引き、切り離すイメージを持つことが大切です。それが心理的距離を離すことにつながります。
この感覚が持てるまでには少し時間がかかる場合もありますが、実践を重ねるうちに徐々に身についていきます。
恐怖を克服するには立ち向かうことも大切
恐怖心を根本的に克服するためには、『正面から立ち向かう』という選択が必要な場合もあります。
もちろん、強制的に嫌いな場所に身を置くようなことはせず、無理のない範囲で行うことが大切です。
事前に安心感を得られるような考え方を身につけたり、苦手な場面に慣れる訓練を重ねるうちに、段階的に恐怖心を減らしていくことができます。
これらの方法は、メールカウンセリングのほうで具体的なやり方をアドバイスすることもできます。
悩みを打ち明けたい、状況を変えたい、という方はこちらからご連絡ください。
今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。
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