最近ではHSPに関する書籍やサイトが増えてきていることもあり、HSPの認知度も徐々に高まっているように思います。
ただ、明確な判断基準を持たないまま自分がHSPであると思い込んでしまう方もいらっしゃるようです。
HSPといえば『敏感な人』というイメージを持つ方が多いと思いますが、実はそれだけではHSPと断定することはできません。
自分がHSPだと判断するためには、いくつかのチェックテストを行ってみる必要があります。
ここではHSPの名付け親であるエレイン・N・アーロン博士が考案した『HSPのセルフテスト』に加え、
自分がHSPかHSPでないかを判断するうえで役立つ『4つの特徴』をご紹介します。
「自分がHSPであるかはっきりわからない」という方は、ぜひこの機会にチェックしてみてください。
■1つ目のテストは、質問25個中のうち何個自分に当てはまるかを数えることでチェックできます(所用時間5~10分程度)。
■2つ目のテストは、自分が4つの特徴にすべて当てはまるか・当てはまらないかをチェックするだけで完了します(所用時間3分程度)。
あまり時間がない場合は、2つ目のテストだけでも行ってみてください。
この記事の目次
HSPセルフチェック①Are You Highly Sensitive?(あなたは非常に敏感ですか?)
以下の質問に対し、少しでも当てはまったらカウントしてください。あまり当てはまらない、あるいはまったく当てはまらない場合はカウントする必要はありません。
- 強い刺激を受けるとすぐに圧倒されてしまう
- 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
- 他人の気分に左右される
- 痛みにとても敏感である
- 忙しい日々が続くと、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
- カフェインに敏感に反応する
- 豊かな想像力を持ち、空想にふけりやすい
- 騒音に悩まされやすい
- 美術や音楽に深く心動かされる
- とても良心的である(何かをするとき、注意深く、真心をこめて、きめ細かに対応しやすい)
- すぐにびっくりする
- 短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
- 人が何かで不快な思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐに気づく(たとえば電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)
- 一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ
- ミスをしたり物を忘れたりしないよういつも気をつけている
- 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
- あまりにもたくさんのことが自分の周りで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
- 生活に変化があると混乱する
- デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
- 同時に自分の中でたくさんのことが進行すると気分が悪くなる。
- 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
- 大きな音や雑然とした状況など強い刺激に悩まされる
- 仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
- 子供のころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた
- 時々神経が擦り切れたように感じ、一人になりたくなる
セルフチェックに対する評価
上記の質問のうち、もし12項目以上あてはまったら、おそらくHSPと考えられます。
たとえ該当する項目の数が少なかったとしても、それが非常に強い傾向にあれば、HSPである可能性があります。
※エレイン・N・アーロン博士よりセルフテストの使用許可を得ています。
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HSPセルフチェック②HSPの本質的な4つの特徴
エレイン・N・アーロン博士によると、HSPの根底にある性質には「4つの面がある」と述べられています。
この4つの特徴に自分が当てはまるか・当てはまらないかをチェックしてみることで、自分がHSPか、そうでないかの判断材料にすることができるでしょう。
- 深く処理する
- 過剰に刺激を受けやすい
- 全体的に感情の反応が強く、特に共感力が高い
- ささいな刺激を察知する
上記4つの性質すべてに当てはまればHSPである可能性が高く、反対に1つでも当てはまらない場合はHSPの可能性は低いとのことです。
ただ、上記の表現では抽象的でわかりにくい部分があるため、より具体的な特徴については以下を参考にしてみてください。
①深く処理する
敏感に反応したり、些細なことを察知する根底には「深く処理する」という性質があります。物事を徹底的に処理したり、深く考えたりすることは無意識で行われることもあります。
年齢の割に大人びた質問をしたり、あれこれ考えてなかなか決断ができない、じっくり観察して考えるので初めての人や場所を前に「行動を起こすのに時間がかかる」といった形でも表れてきます。
②過剰に刺激を受けやすい
HSPは自分の内外で起こっている全てに人一倍気がつき、処理するので、精神的に負担がかかり、ゆえに体も人より早く疲労を感じます。過剰に刺激を受けやすいのは、深く処理できる性質の裏返しです。
大きな音や気温の変化、匂いや肌触り強い光などからも人一倍刺激を受け、楽しいはずのイベントでも圧倒されぐったりし、興奮が強いと目が冴えて眠れなくなったりします。
③感情反応が強く、共感力が高い
過剰に刺激を受けることも深く処理することと関係がありましたが、感情反応も深く処理することと密接に関係しています。
HSPはどんなことにも人一倍注意を払い、観察し、学び、物事の一つひとつを深く感じ取り、涙もろく、人の心を読むことにたけていて、完璧主義で、ささいな間違いにも強く反応します。友人や家族、知らない人のストレスにまでよく気がつきます。
④ささいな刺激を察知する
小さな音、かすかな臭い、細かいことに気づくのは、感覚の器官が発達しているからではなくて(そういう人もいるが)、感受性が強いからこそささいなことに気づくのです。
人や場所の外見上の小さな変化、物の配置の変化に気づき、声のトーン、視線、しぐさや表情からいつもと違う変化を察知したりします。
ただし、神経が高ぶりすぎている状態だと、この察知力は発揮されません。
参考文献:「ひといちばい敏感な子」 より一部引用
いかがでしょうか。
上記4つの特徴に対して「全てよく当てはまる」と思った方は、HSPである可能性が非常に高いといえるかと思います。
HSPは治すべき?そもそも治せるの?
自分がHSPであることが分かったときに気になるのが、
「HSPは治した方がいいのか」
「そもそも治せるものなのか」
ということではないでしょうか。
これは色々な本やサイトで書かれていることですが、
HSPは、何かの病気や症状といったものではなく、“生まれつきの特徴”のようなものです。
人それぞれ骨格や体形に違いがあるように、HSPという気質もその人を形成する特徴のひとつとして捉えることができます。
この「気質」は後天的に身につけた性格とは違い、生理的・遺伝的な特質で、“生まれ持ったもの”です。
そのためHSPを根本から治すということはできません。
治すのではなく、付き合い方(活かし方)を模索する
とはいえ、自分の繊細さや敏感さを「生まれつきだから仕方ない」と考えることは簡単なことではないでしょう。
なぜなら、
「豊かな感受性が原因で人の感情に振り回されてしまう」
「小さな物音や匂いが気になって神経質になってしまう」
こうした生きづらさを感じている以上、「治したい」と考えることはごく自然なことであり、そう簡単に諦められることではないからです。
しかし、残念なことに「HSPという気質は一生変えられない」というのも事実です。
これはHSPに限ったことではなく、人は生まれながらにして何らかの気質をもっていて、それを努力して直そうとしても変えることはできないのです。
変えられないことを無理に変えようとしても、ただ苦しいだけです。
どうあがいても変えられないのであれば、HSPという気質を受け入れ、「上手な付き合い方」、「活かし方」を模索していったほうが断然に生きやすくなるはずです。
私自身もHSPですが、今は自分がHSPであることを受け入れ、その気質を活かすような考え方・生活をするように心掛けています。
HSPという気質があることを知る前は、ただ自分が「繊細で弱い人間なんだ」と思い込んでいましたが、今ではその繊細さの裏側にある“強み”にスポットを当てることで、HSPである自分に自信を持って生きることが出来ています。
HSPには、他の人にはない長所や強みがたくさんあります。
今回ご紹介したセルフチェックで自分がHSPであると分かったような方にも、ぜひHSPであることに誇りをもっていただきたいと思います。
今後もHSPとの付き合い方、活かし方について発信していきたいと思いますので、ご興味のある方はブックマーク、SNSのフォロー等で情報を受け取っていただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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