敏感・繊細な気質(HSP)

キツイ言葉にひどく傷ついてしまう方へ│過剰反応を和らげる3つの考え方

心にズキッと突き刺さるような言葉、キツイ言い方や威圧的な態度に深く傷ついてしまうことはありませんか?

他にも、

  • キツイ口調で叱られる
  • 大きな声で怒鳴られる
  • しつこく注意される
  • 問い詰めるような言い方、責め方をされる
  • あたかもこちらが「とんでもないこと」をしでかしたような言い方をされる

などといったことに強い拒絶感や苦手意識を持つ方は多いと思います。

とくに、繊細で傷つきやすい心を持つ人ならば、耐えがたいほどの苦痛に感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、こうした「キツイ言葉」に対する反応を和らげる方法を3つご紹介します。


キツイ言葉に対する反応

キツイ言葉を言われたとき、あなたはどんな反応になりますか?

  • 「そんな言い方しなくてもいいのに!」と心の中が悔しくて悲しい気持ちでいっぱいになる
  • 「認めたくない気持ち」と「自分が悪いんだ」といった気持ちが同時に込み上げてきて泣きたくなる
  • 「どうして自分だけ?」と相手への疑念や反論で頭がいっぱいになる
  • 「どうしてあのとき反論できなかったんだろう」と後になって腹が立ってくる

きっと多くの方は、このような反応になるのではないでしょうか?

そしてその結果、自分の存在ごと否定された気持ちになったり、
まるで周りよりも自分が劣った存在であるかのように受け取ってしまうこともあるかもしれません。

こうした傾向は、たんに「傷つきやすい」という性質によるものだけでなく、様々な要因で精神的な自立ができていなかったり、自己肯定感がうまく育まれていないことでも現れやすくなります。

どこか自分に対して自信が持てずにいることで、相手の言うことを丸ごと受け取ってしまうのです。

いずれにしても、キツイ言葉に対して過剰に反応しすぎてしまうのが辛いところです。

傷つきやすい人、傷つきにくい人の違い

まったく同じ状況であっても、「傷つきやすい人」と「傷つきにくい人」がいます。

つまり、キツイ言葉をかけられて「傷つけられた」と深く落ち込む人もいれば、それほど落ち込まずにすぐに立ち直るような人もいるということです。

これらを一般的には「メンタルが強い」、「メンタルが弱い」などと言ったりしますが、こうした“傷つきやすさ”は持って生まれた気質が大きく影響していることがわかっています。

とくにHSPは、様々な刺激をストレス・苦痛と感じやすく、環境や物事に対しても敏感に反応しやすい傾向があります。

また、2012年の心理学研究によれば、そうした心理的敏感さの高い人は、傷つきや落ち込みから立ち直る力も低い傾向が示されています。

ただ、そうした気質に生まれた人であっても、物事の考え方や捉え方を変えることで傷を軽減したり、落ち込みから立ち直る力を高めていけることもわかっています。

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キツイ言葉への反応を和らげる3つの考え方

キツイ言葉への過剰反応を和らげるには、相手の心理を予め知っておくことや、言葉の受け取り方を変えることなどが有効です。順番に解説していきます。

  1. 相手の心理や状況に目を向ける
  2. 傷付くことへの否定的な認知を緩める
  3. 「スルーモード」に入る

①相手の心理や状況に目を向ける

「言い方がキツイ人」や「冷たい態度をとる人」には、必ず何らかの理由があります。

例えば、人の気持ちを思いやれるほどの余裕がないことや、相手のコミュニケーション能力が未熟であることなどが考えられます。

または、対人関係に強い苦手意識を持っていたり、何らかのトラウマや劣等感を抱え苦しんでいる、といったことも考えられるでしょう。

そうした相手の心理や状況に一度目を向けてみることで、「あぁ、この人も色々大変なんだな」「本当は辛いのかもな」などと思えて、気持ち的に優位な状態で相手を見られるようになります。

少なくとも、「自分の能力が足りないから悪いんだ」などと考えて、必要以上に自分を責めたりするようなことはなくなるはずです。

②傷つくことに対する否定的な認知を緩める

他人の言葉で傷つきやすい人は、『傷つく』ということに対して否定的な思い込みを持っていることがあります。

これは多くの場合、『幼少期の家庭環境』が強く影響しています。

例えば、親に叱られて泣いていたときに、「こんなことで泣くな!」「そんなに弱くてどうする!」などと追い打ちをかけられるように罵倒されたとします。

幼少期にはそうした親の言葉を無条件に聞き入れてしまうので、「こんなことで泣いてしまう自分は弱いんだ」「傷ついたり泣いたりしてはいけない」などと否定的な認知を強化していってしまいます。

それが大人になっても残り続けることで、『傷つく』ということに過剰反応するようになるのです。

傷つくことを過度に恐れる分、実際にそうした場面になると「やっぱり自分はダメなんだ」と自己否定したり、または「何を言われても傷つくまい」として歯を食いしばって必死にこらえようとします。

結果的にはこれが余計に『傷』に対する反応を強めてしまうのです。

こうした『傷』に対する否定的な認知を緩めるためには、傷つく自分を許容・承認してあげることが大切です。

  • 「傷つくことは悪いことではない」
  • 「自分は傷ついてもいいんだ」
  • 「傷ついてもまた立ち直ればいいじゃないか」

こうした「自分に対する声掛け」を意識的に行っていくことで、傷への過剰反応は和らげることができます。

絶対に避けなければいけないのは、傷つく自分を責めたり否定したりすること

傷を嫌えば嫌うほど、否定的な認知は強まってしまいます。傷つく自分を許容し、「傷ついたっていいじゃないか」「そんな自分もOKだ」と承認してあげることが大切です。

また、それをスムーズにするためにも、「自分は傷つきやすいところがある」、と自覚しておくことも良いかもしれません。

自分への理解が深まれば、漠然とした不安や恐怖も感じにくくなっていきます。

③「スルーモード」に入る

「相手が言うことをすべて真に受けてしまう」「エネルギーをダイレクトに受けてしまう」といったことはないでしょうか?

他人の感情やエネルギーに敏感な人ほど、言われたことすべてを真摯に受け止めてショックを受けたり、相手が発するエネルギーをもろに受けてしまうものです。当然、受けるダメージの量や回数は他の人よりも多くなってしまいます。

相手の言葉やエネルギーを適度に受け流す「スルーモード」を持っておくと、心のダメージは大きく軽減できます。

スルーモードに入ったら、相手の言葉や感情、エネルギーは表面上でしか受け取らないことにするのです。

もちろん、あからさまに相手を無視したり失礼な態度をとるようなことは避けなければなりませんが、

相手の話に相槌を打ちながらも、その内容を自分のこととして受け取らないようにしたり、必要以上に反応しないように心がけるだけで受ける衝撃は軽減できます。

少し言い方は悪いですが、相手の話をちゃんと聞いている“フリ”をする(演じる)といった捉え方でも良いと思います。

威圧的な言い方をする人、しつこい人、感情を逆撫でしてくるような人…

そんな人を相手にしても、スルーモードに入っていれば心の中はほぼ無傷でいられます。

初めはうまくできないかもしれませんが、慣れれば誰にでも使いこなせるようになるはずです。ぜひ試してみてください。

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まとめ

人と関わっている以上、相手の言葉で傷ついたり落ち込んだりすることはゼロにすることはできません。

しかし、傷つく回数やダメージを減らしたり、立ち直る力を高めていくことはできます。

まずは今回ご紹介した3つの方法で、傷に対する過剰反応を和らげてみてください。

 

今回ご紹介した内容が少しでもお役に立てば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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てるてる(荒木明)
てるてる(荒木明)
HSP・内向型専門カウンセラー。北海道 札幌市在住。 若い頃から繊細で傷つきやすい性格に悩まされる➔弱い自分を否定し続け対人恐怖症・うつ病を経験。自分の気質を受け入れ、心の機能について一から学ぶことで今ではとても生きやすくなりました。 メール相談を通して、一人ひとりのお悩みに対するアドバイスを行っています。 >>詳しいプロフィール
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