「みんなといると気を遣いすぎて疲れてしまう」
「大勢の中では本当の自分が出せない」
こういった方は、一人で行動することの方が多いかもしれません。
しかし、中には「集団行動は苦手だけど、一人だと行動範囲が狭まってしまう」といったような方もいます。
- 本当は一人で食事したいけど一歩踏み出せない
- 行きたいところ、やりたいことがあるが一人だと心細い
- 一人だと周囲の目が気になってしまう
こうした一人行動に自信が持てない人は、心のどこかで「メンタルブロック」がかかっている可能性が高いといえます。
この記事の目次
一人行動を楽しむ人は意外なほど増えている
少し前までは複数人で楽しむことが当たり前だった飲食や娯楽を一人で楽しむ人が増え、「おひとりさまブーム」と呼ばれています。
ブームの到来に合わせて店舗設備を変更するところも多くあり、“おひとりさま用のサービス”を取り入れた飲食店や娯楽施設の普及はどんどん進んでいます。
- ひとり焼き肉
- ひとり鍋
- ひとり居酒屋
- ひとり旅行
- ひとりカラオケ
- ひとりボーリング
- ひとり映画
低迷が続くカラオケ業界では、設備を一人カラオケ(ワンカラ)に切り替えた店舗は業績を伸ばし続けています。
このように、“おひとりさま”に対応したサービスは着実に増えており、一人行動がしやすい環境は整いつつあります。
気兼ねなく一人行動を楽しむために、まずはこの事実をよく理解しておくと良いでしょう。
なぜ一人行動する人が急増しているのか?
飲食や娯楽を一人で楽しむ人が増えた理由には、しばらく前から言われ始めている「人間関係の希薄化」が大きく関係しています。全体主義を基本文化としていた日本が”個人主義”に変化していることが根底にあるのです。
実は現在の「おひとりさまブーム」は今始まったことではなく、戦後徐々に広まり始めた文化の移り変わりによるものです。
会社の社員旅行や忘年会・新宴会なども年々減少していく傾向にあり、最近では就業後の飲み会ですら避ける若者も増え続けています。
昔ならば上司や先輩のおごりで仕事後に飲みに行く光景は各地で見られたものです。また、それが上司や先輩たちにとっては一種の責任であり、腹を割って話すことのできる大切なコミュニケーションの場でもありました。
ところが最近では就業後に後輩を労うために食事に誘っても、喜ばれるどころか敬遠され、逆に精神的な負担を与えてしまうという困った事態に陥る会社も多いようです。
こういった日本の若者を中心とする価値観の変化に拍車をかけたのが、スマホやパソコンなどの「IT機器」と「インターネット(SNS)」の普及です。
とくにSNSは、若者のコミュニケーションの場所を“身近な周辺の人間関係”から、“インターネット内の人間関係”に移行させました。これによりリアルの人付き合いの場がどんどん減り、人見知りやコミュ障といった対人関係に悩みを持つ方も増えています。
一人行動をする人が増えている背景には、価値観的・文化的背景の他に、こうしたテクノロジーの登場も関係しているのです。
一人行動を楽しめる人のマインドとは
集団で行動することが好きではない人でも、一人行動を“楽しめる人”と“楽しめない人”に分かれます。
両者の違いは「マインド」にあります。
このマインド(心構え・捉え方)を変えることで、一人行動をさらに自信を持って楽しむことができ、また行動の範囲を大きく広げることが可能になります。
たとえば、「一人焼肉」を楽しめる人の考え方を参考にしてみましょう。
- 周りに気を遣わず食事をしたい
- 自分のペースを大切にしたい
- 一人で集中して食べたほうがおいしく食べられる
- 一人でいられる時間が欲しい
一人焼肉をする人は「周囲に気を使わず自分の好きなものを自分の好きなペースで食べたい」という気持ちが強く、その目的に集中するあまり周囲の目もさほど気にならないそうです。
「自分の食べたいものを自由に食べられる」という解放感は、一度味わうとやみつきになってしまうものなのかもしれませんね。
また最近ではドラマや漫画などでも一人行動を存分に楽しむような作品も多くなっており、自分の時間を自由に満喫している姿に憧れを抱く方も多くなっています。
いずれにしても、一人行動ができる人は「一人の時間(自由)を楽しみたい」という気持ちがとても強いということです。
「人からどう思われるか」などということは二の次ということですね。
一人行動が楽しめない人のマインド(メンタルブロック)
一方、一人行動を楽しむことができない人は、どこか自分の行動に自信が持てず周囲の目を気にしてしまいます。
こうした心理を「メンタルブロック」と呼び、無意識のうちに「こうあるべきだ」「こうでなくてはいけない」といったような思い込みが作られてしまっていることがよくあります。
具体的には以下のようなものが挙げられます。
一人でいることは恥ずかしいという思い込み
一人行動に自信が持てない人は「一人でいることは恥ずかしいこと」という思い込みを持っていることがよくあります。
「周りの人は家族や友人と来ているのに自分は一人で来ている…」
といったように、周りと自分を比較して羞恥心を抱いてしまうのです。
常に周囲と自分を見比べてしまい、本当は存在しない「ランク」をつけてみたり、自分が極端に目立っていないか?などと不安になってしまうこともあります。
このタイプは、自意識が高い人に多いタイプだと言えます。
一人だと自信が持てない、心細い
集団行動にストレスを感じるものの、いざ一人になってみると「自信が持てない」「心細い」と感じる人もいます。
他人への依存が強いことが原因として考えられますが、さらにその奥には「漠然とした恐怖・不安感」が潜んでいることがあります。
日本という国は団体行動を重んじ、周りとうまく調和できない人間は追いやられる風潮があります。こうした集団意識が頭の中に刷り込まれているせいで、何となく単独行動に対して後ろめたさのようなものを感じてしまうことがあるのです。
周りと違うことをすることに対して不安を感じやすい人は、こうした傾向が強いのかもしれません。
話し相手がいないと楽しくない、寂しい
常に複数で行動し、一人になると孤独感を感じ暗い気分になってしまうような人もいます。
このタイプも「他人への依存」が強く、常に周りに誰かがいないと不安になってしまうタイプです。
自分の弱さを集団内にいることでごまかしてしまう傾向があるため、依存心がエスカレートして周囲から煩わしく思われないよう、注意が必要です。
一人行動に自信が持てる「メンタルブロックの外し方」
自分の思い込みと妄想によっていつの間にか作り出された「メンタルブロック」を外すことで、一人行動を自信を持って楽しめる感覚を身につけることができます。
ぜひ以下を参考にしてみてください。
①周りは全然見ていないし気にしていないという事実を知る
周囲の視線を気にし過ぎてしまうメンタルブロックのある方は、自分の意志よりも「他人の評価」を優先してしまう傾向があります。
幼少期に親が厳し過ぎたり反対にあまり時間を共有してくれなかった、などという環境で育った場合に多いタイプで、常に周りの顔色が気になってしまうのです。この性格は大人になっても続くことが多いです。
「周囲の人が自分を見ている」「馬鹿にされている気がする」といった感覚は”妄想”に過ぎず、多くの場合は“他人のことを深く考えているヒマなどない”というのが現実です。
人目が気になって本来の自分を出せない人は多い
でも実は自分が気にしているほど誰も他人のことなど気にしていない
悲しいが、他人に起きた大きな不幸さえ深く考えている余裕もないほど
それくらいみんな自分のことに一生懸命
だからあなたも安心して自分を表現していい
— てるてる@生きづらさ解消 (@teruteru_tw) 2018年8月15日
その事実をしっかりと認識し、「みんな自分のことで精一杯」「自分のことなど誰も気にしていない」と繰り返し自分に言い聞かせていると、次第に周りに対する警戒心のようなものは少しずつ薄れていきます。
②自立心を養う
誰かといると冷静でいられるのに、一人になった途端に不安を感じてしまう人は「自立心」がうまく育まれていない可能性があります。
自立心とは、
「他人の意見に身を委ねるのではなく、自分の力で物事を乗り越えようとする心構え」
のことをいいます。
人は成長して大人になるに従い、孤独や様々な困難にも耐えられるようになっていくものです。しかし、何らかの理由で自立心を養う機会を逃してしまうと、いつの間にか「他人依存型」の人間になってしまいます。
子供が大人へと成長する過程で一度実家から離れて生活をさせようとする風習が昔からありますが、これも「自立心の養成」には有効な手段です。こうした経験がなく、常に誰かの支援を受けて生きてきた方は、自立心を育む機会が少なかったのかもしれません。
大人になってから自立心を養うためには、とにかく一人の時間や行動をたくさんとることです。食事や買い物、通勤はもちろん、セミナーや講演会、サークルへの参加など、積極的に一人行動することで自立心は大きく高めることができます。
あれこれ考えすぎると一歩踏み出すのが難しくなってしまいますので、楽観的な気持ちで行動することが大切です。
③一人行動のメリットや大切さを知る
一人行動することにはたくさんのメリットがあります。その事実を知ることで、一人でいることの後ろめたさや心細さを克服するのに役立ちます。
- 誰かに合わせず自分のペースで行うことができる
- 目の前の目的だけに集中できる
- 余計な時間や労力、ストレスを削減することができる
- 自分を冷静に見つめ直すことができる
- 自立心・自尊心を養うことができ、自分に自信が持てる
一人行動は自分のペースで好きなことを好きなだけすることができるのが最大のメリットです。誰かに何かを強要される心配もなく、自由に目的を果たすことができるのです。
それに加え、一人でいると自分と向き合う時間が長くなりますので、自分の考え方や抱えている問題を冷静に見つめ直すこともできます。
集団に依存し、常に誰かの力を借りているようではいつまで経っても自分の行動に自信を持つことはできませんが、一人行動による経験で習得したスキルが、その人の「社会的な人間力」となり、成熟した大人としての自信もついていきます。
最後に:メンタルブロックを外して行動力を高めよう
メンタルブロックは生活の中のさまざまなシーンで障害となり、行動に制限をかけてしまう原因になります。
「どこか自信を持って行動できない自分がいる」「周囲の目が気になって自由に振る舞えない」
そんな方は、どこかのタイミングでこの問題と正面から向かい合い、解決に向けた行動をとる必要があるでしょう。
一人でラーメン店に入ってみる、映画を観に行ってみる…
それが難しいなら「一人で街を歩いてみる」だけでも構いません。
どんな小さなことでも良いので、まずはできそうなことからチャレンジしてみることが大切です。
成功体験を一つずつ積み上げることで、それまで「絶対にできない」と思い込んでいたようなことにもチャレンジする勇気が湧いてきます。
そしてこの一連の流れを繰り返していくことで、高い行動力が身に付き、一人でも自信を持って行動できるようになっていくはずです。
何か感じるものがあれば、今日、もしくは明日からでも行動に移してみていただけたらと思います。
少しでも良くなることを願っています。
〈まとめ〉
- 一人行動する人は増え続けている
- 一人行動を楽しめる人は「自分の目的」を強く持っている
- 一人行動が楽しめない人は何らかの「メンタルブロック」がある
- 自分が思うほど周囲は気にしていないし見ていない
- 自立心を養うことで一人行動に自信を持てる
- 一人行動のメリットや大切さを認識することでメンタルブロックを克服しやすくなる
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