人の気持ちやその場の雰囲気を敏感に察知し、それが原因で疲れてしまう方がいます。
最近になって広く知られるようになった内向型、HSPと呼ばれる気質のような方の中には、特にそうしたセンサーが強く働いてしまって困っている方が多いようです。
そのような方が知っておくとラクになるのが、『心の境界線』です。心理学では“バウンダリー”と呼ばれたりします。
私自身、これを意識するようになってから他人の感情に振り回されることがなくなり、人付き合いがとてもラクになりました。
同じようなお悩みを持つ方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
心の境界線とは
心の境界線とは、良好な人間関係を築くためには欠かせない『防衛ライン』のようなものです。
自分と他人の違いを認め、お互いに尊重し合うためにも、この境界線の存在を意識しておくことが望ましいでしょう。
境界線を明確にしておかないと、自分の問題を他人に押し付けてしまったり、反対に他人の問題を自分が引き受けてしまう恐れがあります。
そのようなことにならないためには、心の境界線の存在を理解し、お互いの領域に侵入しない(させない)ことが大切です。
心の境界線がない(あいまいな)状態で生じる問題
心の境界線がない、またはあいまいになっている場合に生じやすい問題には、以下のようなものがあります。
- 他人の問題を「自分のせい」だと思ってしまう
- 人の気持ちを汲み取って、自分が解決しようと行動してしまう
- 自分の考えではなく、人が望むように行動してしまう
- 本当はやりたくないことでも引き受けてしまう
- 頭ごなしに自分の意見を押し付けようとしてしまう
- 「~さんにこう言われたから」などと他人のせいにしてしまう
このように、自分と他人との間にうまく境界線が引けていないと、お互いの領域を侵してしまうことで、程よい距離感を保つことが難しくなってしまいます。
とくに内向型・HSPの方は、人の感情や場の空気感を察知しやすい傾向にありますので、つい「私が何とかしてあげなければ」などと考えてしまいがちです。
もちろん、相手の気持ちや痛みを理解しようとすることは素晴らしいことですが、それがきっかけで自分の気持ちまで落ち込んでしまったり、何かのトラブルに巻き込まれてしまうことは避けなければなりません。
そのためにも、心の境界線をしっかりと意識し、他人と自分のテリトリーをはっきり区別する必要があるのです。
心の境界線を引いて、他人の感情に引っ張られなくする方法
心の境界線を意識するためには、「これは自分の問題」、「これは相手の問題」などと、区別できるようになることが大切です。
そうすることで、境界を越えられたり、越えてしまっていることに気が付けるようになります。
例えば、近くにイライラしている人がいる場合。
境界線がうまく引けないと、「私がイライラを鎮めてあげなければ」などと考え、相手に何かをしてあげたくなってしまうでしょう。
または、変に顔色をうかがったり、気を遣いすぎて疲れてしまうこともあるかもしれません。
しかし、「イライラしている」というのは相手の問題であり、その感情をどう扱うかも相手次第です。
そのままイライラし続けるのか、気を取り直すために何らかの対処をするのかは、その人が選択すべきことであって、こちらがコントロールできることではありません。
こうしたときこそ、心の境界線を思い出し、「これは相手の問題だ。自分がどうこうできることではない」と線引きする必要があるのです。
もし相手がイライラをあなたにぶつけてきたりするような場合は、その相手が『あなたの境界線を越えようとしている』ということになります。
簡単に言ってしまえば、「このイライラを何とかしてくれ!」と言ってあなたの領域に侵入しようとしているわけです。
やさしい人ほど、ここで「コーヒーでも買ってきましょうか」などと言って、相手をなだめようとしてしまうのですが、これは非常に危険な行為です。
このような人をいったん受け入れてしまうと、事あるごとにその人を利用しようとすることが多いからです。
何か嫌なことがあれば八つ当たりしてきたり、愚痴を聞かされたり、やりたくないことを任されたり…
もし、こうした経験をすることが多い場合は、相手を気軽に自分の境界に侵入させてしまっている可能性があります。
ただ、こうしたことに心当たりがあるような人でも、今日から心の境界線を意識することで、適切な距離感を保てるようになります。
まずは「相手の問題」と「自分の問題」をしっかり見極めて、お互いの領域に侵入し合わない意識を持つことが大切です。
心の境界線は上手に使っていこう
「イライラしている人を見て、自分までイライラしてきた」
「落ち込んでいる人が近くにいるだけで、自分まで暗い気持ちになってきた」
このようなことに陥りがちな人は、心の境界線を意識すると感情を引っ張られにくくなります。相手の責任を引き受けて苦しむこともなくなるでしょう。
ですが、あまりにもこれに縛られるのもかえってストレスになることがあります。
例えば家族や親しい友人などに対して、「また境界線を越えてしまった」「自分の領域に侵入された」などと気にしすぎるのは少し窮屈な考え方になってしまう恐れがあります。
心の境界線は『自分や他人とうまく付き合うためのツール』だと思ってください。
もしすべてに当てはめることがストレスになるようであれば、必要に応じて出し入れする方が負担が少なくて済みます。
最後に:
人付き合いにおいて不快感を感じるときには、多くの場合どちらかが境界線を越えてしまっている可能性があります。
そんなときに、「これは自分の問題か」「これは相手の責任だよね」などと気づくことができれば、それ以上苦しむ前に何らかの対処をすることが可能になります。
他人の感情に振り回されてしまわないためにも、ぜひ『心の境界線』を意識して過ごしてみてください。
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