「もっと気楽に生きたい」「あれこれ考えるのをやめたい」
などと思うことはないでしょうか?
とある心理学研究では、個人が持つ「楽観性」は以下のように定義されています。
「物事がうまく進み,悪いことよりも良いことが生じるだろうという信念を一般的にもつ傾向」(戸ヶ崎・坂野,1993)
つまり、物事をあれこれ心配せずに「きっとうまくいくだろう」と思えること。またはネガティブな部分よりもポジティブな部分により目を向けられること。
これが「楽観的になる」ということです。
この楽観性は、人の幸福感や精神的健康、身体的健康と深く関係しているともいわれています。
このページでは、楽観的な人のメリットや特徴、楽観的になるための行動・思考法について解説します。
この記事の目次
楽観的な人のメリット・特徴
ストレスの多い現代において、この楽観的思考の重要性が見直されています。
楽観的な考え方をもつことは、幸福感の増大やストレスの軽減にもつながることが分かっているのです。
ある研究では、楽観性の高い学生は楽観性の低い学生よりも健康状態がよいという結果が出ています(Scheier&Carver,1985)。
また、楽観性が高い場合には、粘り強く努力を積み重ねるため、結果的に望んだ結果や目標を獲得し、多くの資源を得ることから、高い幸福感を得ることができる(Segerstrom,2007) という見方もあります 。
〈楽観的な人の他のメリット〉
- 悩み事が少ない
- 楽しい時間を多く持てる
- 大きな仕事に携わりやすい(出世しやすい)
- 体を壊すことが少ない
- 自分の願望を叶えやすい
〈楽観的な人の特徴〉
- 行動が早い
- 物事を始めるときに恐怖心や不安をあまり持たない
- 見切り発車ができる
- 過ぎたことを後悔しない
- 他人の評価をあまり気にしない
〈楽観的な人の考え方〉
- やる前からあまり悩まない
- 失敗することよりも成功することを考える
- 望まない結果ではなく望む結果をイメージする
- 人からどう思われてもかまわない
楽観的でない人(悲観的な人)のデメリット・マイナス面
上記とは反対に、楽観的でない人には、いくつかのデメリットやマイナス面が考えられます。
〈楽観的でない人のデメリット・マイナス面〉
- ストレスがたまりやすい
- 自分自身で納得できないことが起きやすい
- トラウマを作りやすい
- 行動力が低下する
- 新しいことになかなかチャレンジできない
これらを冷静に見ても、「楽観的でない性格」にあまり良いものは見当たりません。
物事に対して心配することや慎重になることはあっても、それをネガティブに捉えすぎてしまったり、「こうなるに違いない」などと決め込んでしまうのは少しもったいない考え方かもしれません。
楽観的になるための3つの行動
ここまでの解説で、悲観的な性格よりも楽観的な性格のほうが“生きやすい”性格であることがお分かりいただけたかと思います。
では楽観的になるためには、具体的にどのような行動が必要になるのでしょうか?
以下に、楽観性を身につけるために効果的な行動を3つご紹介します。
①深く考える前に行動する
楽観的でない人は、リスクを過剰に恐れることで物事を考えすぎてしまう傾向があります。これではなかなか行動に踏み出すことができません。
行動しない時間が長くなるほど、より恐怖感が大きく成長してしまいますから、結局は何もできないまま終わってしまうことも増えてしまうのです。
一方、楽観的な人はどんどん「見切り発車」をします。
何かを始める前にネガティブな想像を膨らますのではなく、「やる前から悩んでいても仕方ない」と深く考えずに行動を起こすのです。
楽観的な考え方を身につけるためには「深く考える前に行動する習慣を持つ」ことが最も大切だといえるでしょう。
②1人で悩みを抱えるのではなく打ち明ける
また、悲観的な人は1人で悩みを抱えることが多いという特徴があります。
1人で深く考えるほうが良いこともありますが、悩みや不安などのネガティブな要素を持つ悩みを1人で考えると、あまり良い結果は生まれないものです。
不安や恐怖は、長く心にとどめておくことで成長し、手に負えないほど大きなものになることもあります。
周囲の人に悩みを打ち明ける習慣を持つことも、楽観的な性格になる近道だといえるでしょう。
③よく笑う(笑えるポイントを探す)
たとえば、楽観的な人とそうでない人に、同じようなストレスを感じる事件が起きたとします。
仕事のミス・借金を抱えた・失恋したなど…
こういった事件に遭遇した際、悲観的な人ほど深く落ち込んでしまいます。
しかし、楽観的な人は、こういった場合でも笑顔でいられることがあります。これは、「笑顔でいられるポイントを見つける」といった方が正しいかもしれません。
起きた物事に対して、それを「良いこと」と考えるか「悪いこと」ととらえるかの選択は、その人自身で決めることができます。
「笑おうと思えば笑える」「笑えるところを探す」というのが、楽観思考です。
人が笑うと、自律神経の「副交感神経」が優位になり、全身がリラックスして思考能力が高くなります。こうした人は、ピンチのときにでも、あまり焦らずに落ち着いて対処することができます。
とはいえ、不幸なことが起きてすぐに笑えるようになるわけではありません。
まずは起きた物事に対して、「プラスに考えられる部分はあるか」「笑い話にできないか」と考えてみるクセをつけ、少しずつポジティブな思考を身につけていくことが大切です。
楽観的になるための3つの考え方・思考法
では次に、「楽観的になるため」の考え方や思考法を見ていきましょう。
①「まぁいいか」を口癖にする(引きずらない)
悲観的な性格を持つ人の多くに、苦手意識やトラウマがあります。
これらの過去を引きずる心理が、人を神経質にさせてしまうのです。
楽観的になるためには、この部分をまず矯正する必要があります。
それには、何かミスをしたり、損をしたときに「まぁいいか」と口にする習慣をつけることが効果的です。
この初動行為が、強固なトラウマになってしまうことを防いでくれます。
②マイナス面よりもプラス面をみるようにする
前項の「よく笑う」のところでも少し触れましたが、どんな出来事にも必ずマイナス面とプラス面があるものです。
楽観的な人は、この”プラス面”を見つける能力が高いといえます。
ミスをしたとしても「これで一つ勉強になった」というような、プラス面を探す性質を持つことで、楽観的な考えを持てるように変化していきます。
③「適当さ」を身につける
日本人は「完璧主義」という言葉にあまり悪い印象を持たないかもしれません。日本人の勤勉さに合う言葉なのでしょう。
しかし、こうした性格や考え方が原因で、ストレス障害や精神疾患に悩まされてしまうことも少なくありません。
楽観主義になるためには、この”完璧主義”を捨てることがとても大切です。
「~でなければならない」
「絶対にこうあるべきだ」
このような考え方は、自己嫌悪を抱いてしまう原因になりやすく、ストレスを増やすことにもつながってしまいます。
もっと柔軟に広い視野で物事を見ることで、細かいことにとらわれず、楽観的に考えることができるでしょう。
「楽観的な考え方」は、大人になった後でも身につけることができます。
「自分は性格が違うから」と諦めることはありません。
少なくとも私は上記にご紹介した方法を続けることで、徐々にストレスのない生活を送れるようになりました。
ぜひ、できそうなことから初めてみてください。
参考文献
対人関係において不安や緊張を覚えやすく、実生活で精神的苦痛や疲弊を感じやすい性質や傾向を『シャイネス』といいます。
シャイネスの中には、『内気』や『恥ずかしがり』、『人見知り』といったものも含まれ、それが原因で人付き合いを避けてしまう方は多いとされています。
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