こんにちは、心理カウンセラーの荒木明です。
近年、人と向き合った状態で食事をとることに苦手意識を持つ方が増えています。
こうした方は人見知り傾向が強いことが多く、誰かと対面状態になるだけで過度の不安や緊張を感じてしまいます。
社会人として生きていく上で、人と食事をしなくてはならない場面は数えきれないほどありますから、こうした苦手意識はぜひ改善したいものです。
ここでは、対面での食事が苦手な方のために、「向かい合ったときの緊張感」の原因や、それを克服する方法などをまとめてみました。
対面での食事が苦手な人が増えている
日本人は「会食」を社会生活に中に多く取り入れる習慣を持ちます。
初めて出会った人同士が親交を深めるために食事をすることは多くありますね。
- 男女のデート
- 忘年会・新年会
- 親睦会
- 慰労会
- コミュニティー内での食事会・旅行
- 飲み会
- 勤務中の昼食
- 接待
上記のように、私たちの日本人はコミュニティーを円滑にするために「食事」というツールを頻繁に使います。
ところが、様々な理由から誰かと食事をしたり、向かい合ったりすることに対して拒絶感を示す人もいます。これはとくに若い世代に多い傾向があります。
最近ではスマホの普及によって、席で誰かと対面している状態でも下を向きながら話すことも増えていますね。
面と向かって(目を見ながら)会話するようなことが昔と比べて激減していることも、苦手意識を助長させている要因であると考えられます。
対面での食事が苦手な人の心理
「対面」しての食事を嫌う人は、何に対して”苦手”と感じるのでしょうか?
対面しての食事では、慣れない相手との会話が必要となる場合がありますが、人見知り傾向が強い人はこの「会話を必要とする食事」がとにかく苦手です。
対面する相手に過剰に気を遣ってしまうことから、食事の味もあまり感じられず、つらいだけの食事会となってしまうのです。
また、食事のためにテーブルを囲むときには、普段よりも距離がかなり近づきます。
至近距離で生々しく相手を感じ、自分のことも真っ向から見られてしまうプレッシャーも、人見知りの人が緊張してしまう要素の一つです。
- まだ知り合って間もない人との食事
- 自分よりも立場が上の人との食事
- 初めて食事をする相手の場合
- 異性との食事
こういった場面ではとくに強い緊張を感じやすくなります。
上記に挙げた傾向は、『HSP』や『内向型』といった気質の方にとても多く見られます。
人の気持ちや表情から多くの情報を読み取ってしまうことから、相手の顔色をうかがうような言動がどうしても多くなってしまうのです。
他にも、人付き合いで気疲れしやすかったり、本当の自分を出すことができずにモヤモヤとした気持ちになりやすいといった特徴があります。
もしこのようなことに心当たりのある方は、以下の記事にも目を通してみてください。
食事中の向かい合う緊張を解く3つの方法
食事中の緊張は、少しの工夫で緩和することができます。
以下の方法を取り入れてみましょう。
目を直接見ない
他人と接するときに緊張をする人は、相手の”視線”を意識することが多いようです。
これは他人と食事をするとき以外でも感じる、緊張の原因です。
食事中に強く相手の視線を意識してしまう場合、「目を直接見ない」という方法で緊張感を解くことができます。
顔だけは相手にしっかりと向け、”目の周り”を見るようにするのがコツです。
しっかりと顔を上げていれば、相手にも失礼になりませんから、礼儀の上でも問題ありません。
これはコミュニケーション術を教える講義などでも、指導されている方法です。
この方法をマスターすれば、食事中の緊張が解けるだけではなく、普段の会話中に感じる緊張も軽減させることができるでしょう。
集中する部分を変える
一般的に、食事中に意識を向ける部分は「食事の味」や「相手と話す内容」などについてです。
しかし、対面の食事に苦手意識を持つ人はまったくと言っていいほど違うことを考えているものです。
たとえば、目の前の人と「仕事について」の話をしていても、
「言葉が詰まらないか?」「変に思われないだろうか?」
などと、話の内容以外のことを考えてしまうのです。
常に「相手にどう思われるか?」といったようなことに意識のベクトルが向けられており、会話の内容にはまったく意識が向けられていないのです。
これも、不安や緊張を大きくしている要因の一つです。
こうした緊張感は、「集中する部分を変える」ことで和らげることができます。
例えば同僚などと昼食の席を囲んでいるのであれば、
- 「食事そのもの」に意識を集中させる
- 「会話の内容」に意識を集中させる
- 「相手にどう楽しんでもらうか」に意識を集中させる
など、意識のベクトルを『自分』から『他の対象』に向けるのです。
そうすれば、他人の感情や思惑に振り回されることも少なくなっていきます。
自律神経を整え、過剰な緊張や不安を解く
過度な緊張や不安を感じる場合は、「自律神経の乱れ」を疑ってみると良いかもしれません。
「精神の乱れ=自律神経の乱れ」といわれるほど、自律神経の状態は精神状態にも影響します。
ストレスの多い生活を続けていると、少しずつ自律神経のバランスが乱れ、次第にさまざまな不調が現れ始めます。
自律神経を整えるためには、生活の中に「リラックスできる時間」をできるだけ多く取り入れることが大切です。
- ぬるま湯での入浴
- アロマ
- ハーブティー
- 瞑想・ヨガ
といった、リラックスタイムを積極的に取り入れるようにしましょう。
より具体的な改善方法に関しては、こちらのサイトに詳しく書かれています。
また、即効性がありどこでもすぐにできる方法には、「呼吸法」があります。
自律神経が交感神経に傾き緊張しているとき、呼吸は浅く不規則になりがちです。
食事中に緊張を感じた場合などには、相手に気付かれないように深呼吸をし、「深い呼吸」を心がけましょう。
「5秒かけて息を吸い、10秒かけて息を吐ききる」ということを3~4回繰り返してみましょう。
このとき、できればお腹の下の方に意識を集中するとさらに効果的です。
この方法は、食事中以外の場面でも効果が期待できますので、緊張や不安を感じやすい方にはとくにおすすめです。
人見知りの人が苦手としやすい「他人との食事」ですが、避けてばかりいては人見知りそのものを悪化させていく危険性もあるため、早めの対処が必要です。
他人と対面して食事をとることを避けてしまうことは、どうしても人間関係が希薄になりやすく、コミュニケーション能力も低下していく恐れもあります。
他人との接触を避けることで新たなストレスの原因を作り出さないよう、克服に向けたトレーニングを少しずつ取り入れてみてください。
少しでもよくなることを願っています。
〈まとめ〉
- 他人と対面して食事をするのが苦手な人が増えている
- 相手に気を使いすぎる心理が他人との食事を苦手にする
- なれない相手と食事をする場面に緊張しやすい
- 相手の目から目の周辺へ目線をそらすことで緊張を解くことができる
- 思考の集中する部分を変えることで緊張を軽減させることができる
- リラックス法で自律神経を整えることで過度な緊張や不安を解くことができる
対人関係において不安や緊張を覚えやすく、実生活で精神的苦痛や疲弊を感じやすい性質や傾向を『シャイネス』といいます。
シャイネスの中には、『内気』や『恥ずかしがり』、『人見知り』といったものも含まれ、それが原因で人付き合いを避けてしまう方は多いとされています。
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