外部からの刺激を過剰に受けてしまいやすい『内向型』。
大勢の人が集まるような場所や、複数の見知らぬ人と会話をしなければならないような場面では、クタクタに疲れてしまうことがあります。
もともと人付き合いが得意でないことが多い内向型タイプは、人見知りやコミュ障といったコンプレックスを持っていることも多いといいます。
しかし、自分が内向型だからといって必ずしも『人付き合いが下手』というわけではありません。
内向型には内向型の人付き合いの形があるのです。内向型が持つ特徴や強みを知って、それを活かす努力をすれば、人間関係に疲れてしまうようなこともなくなります。
このページでは、『内向型の人が人付き合いで疲れやすい理由と解決策』、『大勢の人が集まるときの心掛け』を解説していきます。
この記事の目次
内向型の人が人付き合いで疲れやすい理由と解決策
社会生活を送るうえで、人付き合いを避け続けることはできません。
以下に『内向型の人が人付き合いで疲れやすい理由と解決策』を3つまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
相手の気持ちを考えすぎる
内向型と呼ばれる人の多くには、非常に豊かな“感受性”が備わっています。
そのため、会話の有る無しに関わらず、
- 「相手が何を考えているか?」
- 「気分はどうか?」
- 「自分のことをどう思っているのか?」
といったことを瞬時に想像してしまいがちです。
ただ想像するだけなら問題ありませんが、自分の言動や態度をすべて相手に合わせてしまうようなことがあれば話は別です。
- 「この人の考えに合わせて自分もこうしておこう」
- 「本当はやりたいけどあの人の気持ちを優先して諦めよう」
こうした『相手に合わせた行動』をとっていると、いつも他人を軸とした考え方になってしまいます。
他人に振り回されないためには、『自分の意志に従った行動』をとることが大切です。
自分がやりたいからそれをやる。自分がやりたくないと思ったからやらない。
こんなふうに、「自分がどうしたいか」を出来る限り最優先にして行動することで、人に合わせ過ぎて疲れてしまうことはなくなるはずです。
表面的な会話が苦手
中身のない話や興味のない話をされて、「面倒だな」と感じてしまうことはないでしょうか?
実はこうしたことも、内向型の人が人間関係で疲れを感じやすい原因になっていたりします。
内向型の人は自分に全く関係のない話をされるのが苦手で、どう返したらよいのか、笑っていいのか悪いのかといったことが全くわからずに困り果ててしまう方もいます。
しかし、『自分にとって生産的で中身のある話』なら一気に会話が楽になります。
そうした内容の会話であれば、
- 共感しやすい
- 話題に困りにくい
- 思考停止に陥りにくい
- 熱のこもった会話ができる
- 興味のない話で無理に笑う必要がない
などといった理由で、純粋に会話を楽しむことができるのです。
ただ、仕事上の理由で“表面的な会話”をしなくてはならない場面は多々あると思います。
そのようなときは、無理に自分の意見を発言しようとしたりせずに、『聞き役に徹すること』が大切だと思います。
よく知らないことには無理に口を出さず、共感できる部分には「うんうん」と頷き、言いたいと思ったときにだけ発言するのです。
「面倒だな」「なんて返そうかな」と思って話を聞いていると、がんばって返答しなくてはならないといったプレッシャーを感じ、その場から離れたい気持ちがどんどん大きくなってしまいます。
『真剣に話を聞く姿勢』で会話をすることで、「話さなければいけない」といった義務感がなくなるので、会話に対する苦痛がかなり和らぐはずです。
取り越し苦労をしてしまう
内向型の人の多くには『豊かな想像力』が備わっています。
この能力は明るい未来を想像することに使うこともできますが、反対に嫌な出来事や悪い結果を想像することにも使えてしまいます。
悪い方向にこの力を発揮してしまうと、“取り越し苦労”することが多くなり、それが結果として人間関係で消耗してしまう原因に繋がってしまうことがあります。
例えば、会社の飲み会や友人同士の集まりなどに参加する際。
「うまく振る舞えるだろうか」「恥をかくんじゃないか」「自分なんて行く必要ないんじゃないか」…
などと考え、その場に出向く前にエネルギーを消耗してしまうことがあります。
人間関係で消耗しないためには、こうした取り越し苦労をやめる努力も必要です。
人はポジティブなことよりもネガティブなことを考えやすい生き物です(危険に備えるための防衛本能)。特に内向型の人はリスク回避能力が高いため、こうした傾向が強いと思われます。
そうした中で、未来のことを「ああでもないこうでもない」と想像していたら、やはり嫌な出来事や悪い結果を想像してしまいやすいのです。
こうした取り越し苦労から逃れるためには、「今ここだけに集中する」ことが大切です。
私たちがコントロールできるのは、過去でも未来でもなく“今、この瞬間”だけです。
そうであれば、『今できること』に集中した方が、良い未来を手に入れられる可能性は高まるはず。
「不安に思っていることを紙に書いてみよう」
「話す内容をある程度考えておこう」
「不安を減らすために会場を下見しておこう」
など…
「○○できるだろうか…」とただ不安に苛まれるのではなく、「○○に備えて●●しておこう」などと計画や対策を考えるようにすれば、取り越し苦労は確実に減らすことができます。
大勢の人が集まるときの心掛け3つ
「人がたくさん集まる場所が苦手」というのは、内向型の人の多くが持つ悩みの一つかと思います。
何かのイベントやパーティーはもちろん、親戚の集まりなどに苦手意識を持つ人も多いです。
そんな場面に対してどのような心掛けを持っておくかで、精神的な疲労度は大きく変わってきます。
①断る選択肢があることも忘れない
相手の気持ちを重んじるばかりに、誘いや頼み事を断るのが苦手な方は多いと思います。
そうした方は、本当はあまり引き受けたくないような頼み事に対しても、少し強く押されるとつい「ちょっとくらいならいいか」などと受け入れてしまって、後で後悔してしまうことがあります。
そのような方は、「断る選択肢」があることを覚えておくと楽になるかもしれません。
真面目でやさしい人ほど、断ることに対して罪悪感を覚えたり、どこか良くないイメージをもってしまいがちです。
しかし、“断る”ということは『自己表現』のひとつであり、自分の意志をきちんと相手に示すための意思表示でもあるのです。
断られた結果、どのような感情を抱き、どう対処するのかは『相手が考えること』です。それをこちらが先に推測してしまうのは、かえって自分勝手な考え方ともいえるのです。
「断ると相手を傷つけてしまう」「迷惑をかけてしまう」などと決めつけてしまわずに、まずは自分の気持ちを率直に伝えてみましょう。
相手に不快な思いをさせないためのテクニックとして、『上手な断り方』を予め想定しておくと気持ち的な余裕も生まれやすくなります。
「今から食事に行きませんか?」
→「誘ってくれてありがとう! でもこの後に先約があって・・・また誘ってください!」
「この仕事手伝ってもらえませんか?」
→「ごめん! 手伝いたいんだけど、こっちも手いっぱいなんで・・・他に頼める人探してみようか?」
断り方のコツとしては、前後にフォローする言葉を添えることです。
「その日は予定があるので無理です」と言われるよりも、その前に「誘ってくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えたり、最後に「また誘ってくださいね」と一言付け加えることで、相手を傷つけることなく断ることができます。
どうしても気が進まないような誘いや頼み事をされたときには、こうして“断る”という選択もすぐにできるようにしておくことが大切です。
②体力を蓄えておく
内向型の人は、大勢の人が集まる場所では非常に多くのエネルギーを消耗してしまう傾向があります。
誰でも苦手な場所に長時間いると、グッタリと疲れ果ててしまうものです。
そうした場に出向く際には、あらかじめ十分な体力を蓄えておくようにしましょう。
- 前日に十分な睡眠を取っておく
- 15分程度の昼寝をしておく
- 自分が癒される方法でエネルギーをチャージしておく
など…
こうして体力を蓄えておくことで、いざというときに神経質になったりネガティブになったりするようなことも少なくなります。
「これはエネルギーが必要になりそうだ」と感じるような予定が入ったら、すぐにエネルギーを蓄えるための行動を計画しましょう。
③キツくなったときの対処法を考えておく
精神的な負担があまりに大きく、その場にいることがどうしても辛くなってしまうようなこともあると思います。
そうしたときのために、『キツくなったときの対処法』を考えておくと気持ち的に余裕を持つことができます。
以下に、いくつかの例をご紹介します。
▼トイレを逃げ場にする
トイレに行くことは、パーティーや会合の途中で退席するのに最も好都合な理由となります。
水でハンカチを濡らして額や首元を冷やすと、気分も軽くなるはずです。
不安や焦燥感が強い場合は、しばらく深呼吸をして気持ちを落ち着かせるようにしましょう。
▼深呼吸の具体的なやり方は以下の記事を参考にしてみてください。
▼少人数で会話するようにする
内向型の人は大勢とのやり取りは苦手ですが、少ない人数と深い話をすることにはあまり苦手意識を抱きません。
大勢の中にいることがキツくなったら、1人か2人趣味が合いそうな人を見つけて話をすると気持ちが楽になるはずです。
▼できるだけ静かな場所に身を置く
パーティーやイベント等たくさんの人が集まるような場所では、何とも言えない空気感に圧倒されてしまうことがあります。
そうしたシーンに出くわしたときは、できるだけ静かな場所に避難するようにして、大きな声や音、ニオイといった五感から受ける刺激を極力少なくすることが大切です。
新鮮な空気が流れやすく、人もそれほど密集していないのは、『入口や出口付近』です。それ以外にもリラックスできそうな場所があれば、そこで出来るだけ多くの時間を過ごすようにしましょう。
最後に:
人間関係に疲れてしまうようなときは誰にでもあります。
しかし、「これは自分が弱いからだ」「人付き合いが下手だからだ」などと落ち込む必要はありません。
大切なのは、『内向型』という気質と正面から向き合うことです。
逃げずに向き合うことで、自分にはどのような特徴があって、それと上手に付き合っていくにはどうしていけば良いかが見えてくるはずです。
今回ご紹介した内容が、自分の気質と向き合うきっかけになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
〈まとめ〉
- 内向型の人は人間関係で疲れを感じやすい
- 断る選択肢があることを忘れない
- 体力を消耗しやすい場面の前にはエネルギーを充電しておくこと
- 「今ここ」だけを意識して先に思いをめぐらせないこと
- キツくなったらトイレに避難する
- 少人数で会話を楽しむ
- 静かな場所を見つけておく
対人関係において不安や緊張を覚えやすく、実生活で精神的苦痛や疲弊を感じやすい性質や傾向を『シャイネス』といいます。
シャイネスの中には、『内気』や『恥ずかしがり』、『人見知り』といったものも含まれ、それが原因で人付き合いを避けてしまう方は多いとされています。
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